【4月9日 AFP】ドイツの対イスラエル武器輸出の緊急停止を求める訴えをオランダ・ハーグ(The Hague)国際司法裁判所(ICJ)に起こした中米ニカラグアと、ドイツ側の主張が真っ向から対立している。

 ニカラグア側の弁護団は8日、ドイツはパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)に軍事侵攻するイスラエルに兵器を提供することで、国連(UN)のジェノサイド(集団殺害)条約に違反していると主張。同条約は、ナチス・ドイツ(Nazi)によるホロコースト(ユダヤ人集団殺害)を契機に1948年に制定された。

 弁護団の一人、ダニエル・ミュラー(Daniel Mueller)弁護士は「片方の手でパレスチナの子どもたちや女性、男性を抹殺するための軍需品を(イスラエルに)提供しながら、もう片方の手で空中投下などを通じた人道支援を行うというのは、彼らに対する実に拙劣な言い訳だ」と述べた。

 これに対し、ドイツ側のタニア・フォンウスラーグライヘン(Tania von Uslar-Gleichen)弁護士は記者団に、ニカラグアの主張は「極めて偏っている」と指摘。「ドイツはこうした主張を全面的に否定する。われわれは直接的にも間接的にもジェノサイド条約や国際人道法に違反していない」と語った。

 ガザ侵攻をめぐっては、南アフリカも昨年、イスラエルがジェノサイドを行っているとしてICJに提訴している。(c)AFP/Richard CARTER