【4⽉11⽇ Peopleʼs Daily】中国ではモバイル決済が大いに普及したことで、中国を訪れる外国人が買い物した際などの支払いで問題が出るようになった。しかしこのところ、改善の取り組みが進んでいる。

 中国で生活して7年になるスーダン出身のマフムード(Mahmoud)さんは中国でのモバイル決済について、「海外の銀行カードともひも付けられるようになり、確認の手続きも改善されました」と述べた。買い物がより便利になり、支払いも気楽で楽しいと感じるようになったという。

 タイからの観光客のチットポン(Chitpong)さんは「中国に来るのは2回目です」と述べた。前回は現金をたくさん用意して持ち運びが大変だったが、今回は事前に中国のモバイル決済のプログラムをダウンロードして携帯電話で使えるようにした。決済は非常にスムーズという。

 旅行会社の中青旅国際旅遊(CYTS International Travel)では、外国人ツアー客に外貨両替サービスや、携帯電話のSIMカードの購入法、小額現金の両替や外国カードの支払い方法などの情報を提供している。同社の胡継英(Hu Jiying)副社長は、少額決済に現金を求める顧客への対応について、「弊社のガイドは常に、現金引き出しに協力しております」と説明した。また、モバイル決済に興味を持つ客もいるので、利用のための手続きを助けているという。

 個人旅行をする観光客にとっても、支払いの問題は解消されつつある。米国から来たマーク(Mark)さんは到着初日にタクシーに乗り、運賃が370元(約7800円)だったので、現金400元(約8400円)を出した。ところが運転手は小銭を持っておらず、つり銭はモバイル決済で支払うと言った。マークさんはモバイル決済を利用できなかったので、つり銭は不要と伝えた。すると運転手は近くの銀行まで車を運転して、100元札を両替して、マークさんに30元を渡した。運転手は、中国の銀行では小銭を両替できるサービスを提供するようになったと教えてくれたという。マークさんはこの小銭両替を利用して数種類の小銭を手に入れて、旅行中にちょっとした飲食や買い物を楽しんだ。とても便利だったという。

 カメルーン出身のチャールズ(Charles)さんは仕事の関係で中国と本国を往復している。数年前はモバイル決済の年間利用限度額が低く、限度額を超えればパスポートを持って銀行に行って申請する必要があった。また、銀行カードやモバイル決済をするためには多くの情報を提供する必要があった。しかし中国の主要決済機関は最近、外国籍者のモバイル決済の1件当たりの取引限度額を1000ドル(約15万2000円)から5000ドル(約75万8000円)に、年間累計取引限度額を1万ドル(約152万円)から5万ドル(約758万円)に引き上げ、登録や認証、カードとのひも付けを大幅に簡素化した。

 チャールズさんは、「中国の決済機関が利便性と安全性の均衡点を模索していることがうれしいです。高水準の対外開放を拡大する中国の熱意を示しています」と述べた。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News