【4月8日 AFP】ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は7日、米議会でまとまった軍事支援策が承認されなければ、ロシアとの戦争に敗北するだろうとの考えを示した。

 ウクライナ軍は、東部ドネツク(Donetsk)州チャシウヤール(Chasiv Yar)一帯で「苦戦」を強いられ、情勢は「緊迫」していると認めている。ただ、抵抗は続けていると主張している。チャシウヤールは鉄道と兵たんの重要拠点、クラマトルスク(Kramatorsk)から30キロ足らずの地点に位置する。

 米議会で600億ドル(約9兆円)の支援予算案が共和党の反対で数か月間、棚上げされている事態を受け、ウクライナは米国に対し、早急な予算成立を求めている。

 ゼレンスキー氏はビデオ会議で、「米議会が助けてくれなければウクライナは戦争に敗れるとはっきり伝える必要がある」と主張。支援がなければ「持ちこたえる」のは困難だとし、「ウクライナが負ければ、次は他の国が(ロシアに)攻撃されることになるだろう」と警告した。

 一方ロシアは、同国がウクライナ南部で占拠しているザポリージャ(Zaporizhzhia)原子力発電所がウクライナ軍のドローン(無人機)1機に攻撃されたと発表した。

 6基の原子炉中1基の建屋をドローンが直撃したが、周辺の放射線量に変化はないとしている。

 国際原子力機関(IAEA)は、「原子炉の格納容器を破損しかねない重大な事故」だと非難し、原発への攻撃はあってはならないと訴えた。(c)AFP