【4月8日 AFP】サッカートルコ1部リーグのフェネルバフチェ(Fenerbahce)が、7日に行われたガラタサライ(Galatasaray)とのスーパーカップ(2023 Turkish Super Cup)で、不当な扱いに抗議して開始3分でピッチを去り、試合を放棄した。

 試合前のトルコメディアの報道で、キックオフは行うがその後に試合を放棄する予定だと伝えられていたフェネルバフチェは、U-19のメンバーをピッチに送り出すと、ガラタサライのマウロ・イカルディ(Mauro Icardi)のゴールで先制された後の開始3分にピッチを後にした。

 フェネルバフチェは、11日にヨーロッパリーグ(UEFA Europa League 2023-24)準々決勝のオリンピアコス(Olympiakos)戦が控えていることもあり、スーパーカップの延期を求めていたがトルコサッカー連盟(TFF)はこれを拒否。またトルコ人審判から不利な判定をされていると主張し、外国人審判の起用も求めていたが、こちらも受け入れられなかった。

 さらにチームは、トラブゾンスポル(Trabzonspor)とのリーグ戦で試合後ピッチに侵入した相手サポーターと選手が衝突した中、連盟から2選手が出場停止の処分を受けており、クラブのアリ・コチュ(Ali Koc)会長は試合前に「トルコサッカーはリセットするべきときだ」と訴えていた。

 今回のスーパーカップはもともと昨年12月29日にサウジアラビアの首都リヤドで開催される予定だったが、トルコの建国100周年を祝い、現代トルコ建国の父であるムスタファ・ケマル・アタチュルク(Mustafa Kemal Ataturk)初代大統領の姿がプリントされたウオーミングアップ用のシャツを着用することに対して、サウジ側が政治的スローガンの禁止を理由に難色を示し、直前で延期になっていた。

 そのため今回の試合は、国内で5万3000人以上の犠牲者を出した昨年2月のトルコ・シリア地震で大きな被害を受けた南部シャンルウルファ(Sanliurfa)で行われた。試合の収益は地震の被災者のために寄付される。

 2013-14シーズン以来のリーグ優勝が懸かるフェネルバフチェは、リーグ戦では残り7節で昨季王者で首位に立つガラタサライと勝ち点2差の2位につけている。(c)AFP