【4月2日 AFP】米テキサス州で乳牛から鳥インフルエンザに感染したとみられる患者が快方に向かっていると当局が1日、発表した。現在、高病原性鳥インフルエンザA(H5N1)ウイルスの異種間感染が広がっており、世界的に懸念が高まっている。

 米国でヒトの鳥インフルエンザ感染が確認されたのは2例目。この1週間、テキサス、カンザス州などでは、野鳥に接触して感染したとみられる牛が確認されていた。

 米疾病対策センター(CDC)によれば、患者には目の充血が見られるが、快方に向かっており、隔離下で抗ウイルス薬治療を受けている。

 鳥インフルエンザの現在の流行が始まったのは2020年で、家禽(かきん)数千万羽に被害が出ている。また、野鳥だけではなく、陸生・海生の哺乳類も感染している。

 これまで、牛やヤギには影響がないと考えられていたため、先月の感染確認は専門家に驚きを与えていた。

 ペンシルベニア大学(University of Pennsylvania)獣医学部の病理生物学者、ルイーズ・モンクラ(Louise Moncla)氏は、患者は農場で働いている間に牛から感染したとみられるとして、「現時点では一般市民がそれほど心配する必要はない」とAFPに述べた。

 CDCも、米国における鳥インフルエンザのヒトへのリスク評価は低く、今回の感染事例によっても変わらないとの見方を示している。

 テキサス州保健当局によれば、酪農場では病気になった牛の乳は廃棄が義務付けられているため、市場に流通する牛乳の安全性に問題はないという。低温殺菌処理でもウイルスは死滅する。(c)AFP/Issam AHMED