【4月2日 Xinhua News】中国山東省濰坊(いほう)市でこのほど開かれた警察のオープンデーイベントで、国内で最初のコーギーの警察犬候補「福仔(フーザイ)」が公開された。がっしりした体形の足が長い一般的な警察犬と異なり、愛らしい表情と短い足がトレードマークだが、卓越した爆発物探知能力を持つ。ネットで一躍人気者となった。

 福仔の登場で「足が短い犬は警察犬になれない」という固定観念が覆された。海外ではすでにコーギーが優秀な警察犬になった例がある。濰坊市公安局警察犬基地の責任者、王亜男(おう・あなん)さんは生後6カ月で雄の福仔について、「コーギーの中でも比較的優秀な犬だと思う」と語る。生後2カ月の時点でさまざまな能力が多くの同年齢の警察犬を上回っていたという。

 警察犬候補となった福仔は毎日午前と午後、服従、爆発物探知、嗅ぎ分けなどの多岐にわたる幼児期訓練を受け、素晴らしいパフォーマンスを見せている。だがこの抱きしめたくなるほどかわいい警察犬が障害物を乗り越え、容疑者を追い詰め威嚇できるのか疑問を抱く人もいる。王さんはこれに対し、「環境への適応能力が高く、物への占有欲が強い。食べることも大好きだ。これらはどれも訓練に有利に働く」と自信をのぞかせる。福仔はその頑張りで疑問を払拭する答えを出しているという。

 福仔は4カ月の訓練でそのユニークな長所を示してきた。例えば短い足を生かして車の下に潜り込み、物を探すことができる。室内の狭いスペースにもすんなり入り込める。人懐っこい表情も警察犬と市民との交流を深めるのも得意だ。訓練士らはそうした長所を買い、福仔を警察犬候補にすることを一致して決めた。

 だがまだ「赤ちゃん」の福仔が正式に職務を開始するには、複雑な環境に適応できるよう一定期間の訓練を受ける必要がある。王さんは、訓練士らが直面する課題は大きく、福仔が良い結果を出せているのは彼らが多大な努力を払ってきたからだと語る。「警察犬はかわいければいいわけでなく、その活躍の舞台裏には(訓練士らの)多くの努力とハードワークがある」(c)Xinhua News/AFPBB News