【4月1日】ロシア外務省は3月31日、同国内での「テロ攻撃」に関与した疑いがあるとして、ウクライナに対し、治安当局トップら複数の当局者を引き渡すよう要求した。これに対しウクライナは「無意味」と一蹴した。

 ロシア外務省は声明で、3月22日に起きたモスクワ郊外のコンサートホール襲撃事件や、その他のロシアに対する攻撃や暗殺事件にウクライナが関与していると改めて主張。国際テロ防止協定を引き合いに出し、複数の人物を「直ちに拘束し、引き渡す」よう求めたことを明らかにした。

 引き渡し対象にはウクライナ保安局(SBU)のワシル・マリューク(Vasyl Maliuk)長官も含まれている。

 声明は長官について、ロシア支配下のクリミア(Crimea)半島とロシア本土を結ぶクリミア橋(Crimean Bridge)への攻撃に関与していたことを認めており、その他の「テロ攻撃」についても詳細に語っていると指摘した。

 その上で、「ウクライナ政府がテロ活動への支援を直ちに止め、責任者を引き渡し、被害者に与えた損害の補償を行うことを求める」としている。

 SBUはこれを受け、「無意味」だとするとともに、「テロ国家がテロ行為に関する声明を出すとは皮肉だ」と述べた。

 コンサートホール襲撃事件については、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が犯行声明を出している。(c)AFP