【3月29日 AFP】米ハーバード大学(Harvard University)は27日、付属図書館が90年以上にわたって所蔵している書籍の装丁に使われていた人の皮膚を取り外したと発表した。

 19世紀のフランスの作家アルセーヌ・ウーセ(Arsene Houssaye)が記した「Des Destinées de l'Ame(魂の運命)」は死後の世界をめぐる黙想について書かれた本だが、装丁に女性の皮膚が使われていることが2014年に判明した。

 ハーバード大は「同書の管理における過去の失敗が、遺体の一部を装丁に使われた人物をいっそう物体化し、人間としての尊厳を損ねた」と説明。皮膚については「尊厳ある処分方法」を決定するために、フランス当局と協議中だと述べた。

 同大は2014年のおぞましい発見を「人皮装丁本(にんぴそうていほん)マニア、愛書家、人食家にとっては朗報」だと呼んだ。また同年のブログで、人間の皮膚を使って装丁を施す行為は、かつてはそこまで珍しくなかったと説明している。

 同大によると、使用された皮膚は、同書の最初の所有者だったリュドビク・ブラー医師が勤務先の病院で、心臓発作で死亡した精神障害者の女性の遺体から採取したもの。

 ブラー医師は著者のウーセへの手紙で「人間の魂に関する書籍には、人間の装丁がふさわしい」と記したとされる。(c)AFP