【3月28日 Xinhua News】中国浙江省楽清市に伝わる精巧な切り絵「細文刻紙(さいもんこくし)」。作品のサイズは小さいもので数センチ四方にすぎないが、省南部沿海地域や甌江(おうこう)流域の民間芸術を反映したさまざまな図柄や模様は豊かな表現力を備えている。1枚の作品を完成させるのに1週間以上かかることもまれではないという。

 1972年から細文刻紙の創作を行っている76歳の盧発良(ろ・はつりょう)氏はこの技術の省級伝承者で、省級工芸美術大師の称号も持っている。創作に当たっては伝統的な題材にこだわらず、時代や現実を反映した作品や、地域文化の特徴を取り入れた作品も意欲的に手がけてきた。デザインの下書きは千枚余りに上る。

 85年には自ら音頭を取って楽清剪紙(せんし、切り絵)研究会を設立、2003年には竜花細文刻紙研究所を立ち上げた。細文刻紙作品の創作や収集を行う傍ら、ボランティア講座を開設して学校や社区(コミュニティー)での普及に取り組み、より多くの人が細文刻紙に触れる機会を作っている。(c)Xinhua News/AFPBB News