【3月27日 AFP】ポスト・ミニマリズムを代表する米国人彫刻家のリチャード・セラ(Richard Serra)氏が26日、ニューヨーク州ロングアイランド(Long Island)の自宅で肺炎のため死去した。85歳だった。米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)が報じた。

 セラ氏は主に金属の板を使用した巨大彫刻で知られ、その作品はパリの美術館からカタールの砂漠まで世界中に設置された。

 1939年、米サンフランシスコでスペイン人の父とロシア系ユダヤ人の母の間に生まれた。カリフォルニア大学(University of California)で英文学を学んだ後、エール大学(Yale University)で視覚芸術を学んだ。

 60年代後半にニューヨークに移り住んだ頃は、生活費を稼ぐために家具の搬出業を営み、後にミニマル・ミュージックの巨匠となる作曲家のフィリップ・グラス(Philip Glass)氏を雇ったこともあった。

 この頃、「巻く」「切る」など84の動詞や、「重力」「自然」など24の要素を創作の基軸とする構想を固めた。鉄を中心に添えた作品制作は70年代になってから。

 サイトスペシフィックな作品を手掛けたセラ氏。生前、作品と環境の相互作用に興味があると語っていた。(c)AFP