テレビ会議向け「多言語の同時通訳」…韓国大手システム会社が開発、上半期に発売へ
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【03月27日 KOREA WAVE】韓国LGグループのシステム統合(SI)業務を担当している「LG CNS」が最近、新たな成長動力としてテレビ会議で使用する通訳ソリューションを開発した。業界関係者が26日、明らかにした。関係者によると、LG CNSは近くブランド名を確定し、早ければ今年上半期中に発売する。音声だけで約100言語以上の通訳が可能だという。
サムスン電子がスマートフォン「ギャラクシーS24」でリアルタイム通訳サービスを開始した後、LG CNSも加わり、関連市場も急激に成長しそうだ。
LG CNSの通訳サービスは、会議参加者が使用する言語を同時通訳して字幕で見せる。テレビ会議用という点で、サムスン電子が今年初めに発表したリアルタイム通話通訳とは異なる。
LG CNSの通訳サービスを利用すれば、韓国人が日本人、米国人、スペイン人とのテレビ会議で韓国語を話す時、発言は日本語、英語、スペイン語などに通訳され、字幕で提供される。スペイン人がスペイン語を話せば日本語、英語、韓国語に通訳される。
また、韓国語→英語、韓国語→スペイン語のように1カ国語だけを通訳する一般的な通訳ソリューションとは異なり、LG CNSの通訳ソリューションは「韓国語→日本語、英語、スペイン語」など、多言語で同時通訳が可能という点が特徴だ。
業界関係者は「多重通訳ソリューションは韓国で初めての試みだ。外国人とテレビ会議を開く時、業務効率性を画期的に高めるだろう」と話した。
LG CNSが開発に乗り出したのは、最近、機械翻訳市場が急速に拡大しているためとみられる。業界では2022年に9億8220万ドルだった機械翻訳の世界市場は年平均22.8%成長し、2032年には75億7000万ドルになると予測している。
このような成長の中心には、最先端のAIを活用した「ニューラル機械翻訳(NMT)」の技術が一役買っている。AIで文章を丸ごと翻訳する方法で、文章を単語や句に分けて統計的に最も類似した意味を探して翻訳する従来の翻訳システムの限界を克服したという評価を受けている。NMTはグーグルが2017年に発表した自然言語処理のためのディープラーニング技術「トランスフォーマーモデル」を基盤とする。
最近、AIを活用した翻訳技術はテキスト翻訳にとどまらず、領域を拡大している。メタは昨年、約100種類の言語を認識し翻訳できるAIモデル「Seamless M4T」を公開した。文字と音声を自由自在に行き来しながら、状況によって効率的に翻訳機能を活用することができる。また、グーグルは約400言語の音声翻訳を支援する「ユニバーサルスピーチモデル(USM)」を開発した。
業界関係者は「翻訳技術は最近AIとの結合で人種や文化などの壁を越えて意思コミュニケーション範囲を広げている。利用者は言語障壁を克服できるようになった」と述べた。
LG CNSはリアルタイム多重通訳ソリューションを前面に押し出し、関連市場の主導権を早く握ると同時に、今年も多様な新事業を展開して成長に勢いをつけたい考えとみられる。企業用生成型AIプラットフォームである「DAP GenAI」でAI市場を積極的に攻略するだけでなく、スマートファクトリー事業の拡大、スマートシティ・物流などでも成果を上げるものと期待される。
ハナ証券のチェ・ジョンウク研究員は「競争力のある営業基盤を備えており、LG CNSは大きな注目を集めている」と話した。
(c)KOREA WAVE/AFPBB News