【3月26日 東方新報】中国・四川省(Sichuan)成都(Chengdu)教育局は、中学校時代に試験中のカンニングやいじめなど不適切な行為を行った受験生は、高等学校の入学審査で、推薦されるべき学生ではないと扱うとの規定を発表した。

 この規定は、高校入学審査において点数重視の姿勢から脱却し、総合的な人格評価が重要な役割を果たすことを目的に制定された。学生の道徳心を育み、総合的な発達と健全な成長を促進すること重要だとしている。

 この規定は、最近学校でティーンエイジャーが関わる幾つかのいじめ事件について社会の議論が盛り上がっている最中に発表された。

 最近、山東省(Shandong)臨沂市(Linyi)で、3人の男子学生が他の男子学生の口にゴミを詰め込み、殴る蹴るの暴行を加え、木の枝で叩く映像がソーシャルメディアで拡散された。7分間の映像の中で、被害者は加害者の学生たちに侮辱され、痛みに泣いていた。

 この件について地元警察は18日、加害者を逮捕し、被害者に大きな怪我はなかったと発表した。

 また、広東省(Guangdong)揭陽市(Jieyang)で、女子学生が同年代の男子学生の集団に取り囲まれ、隅に追いやられて縄で鞭打たれたり蹴られたりしている映像も流れた。

 さらに、河北省(Hebei)邯鄲市(Handan)で男子学生3人が中学生を殺害したとされる事件では、被害者の父親が「息子は長い間学校でいじめに苦しんでいた」と話している。

 中国中央電視台(CCTV)は20日、「学校のいじめ問題では、加害者の低年齢化など、ますます危険な傾向が現れている。同級生に排泄物を食べさせたり、性器を舐めるよう強要するなどの行為が10歳未満の小中学生によって行われている事例もあり、その深刻さは社会的なモラルに大きな問題を投げかけている」と警鐘を鳴らした。

 またCCTVは「学校でのいじめと深く関係する非行少年の増加も見られる。いじめの被害者の視点を優先し、いじめの加害者には強い罰を与えなければならない。特に、代表的事例の分析と適切な対処で、解決のモデルを示し、今後の発生を抑止しつつ、ネガティブな状況を徐々に転換させることが必要だ」と述べている。

 さらにCCTVは「いじめの効果的な抑制には、学校の役割が極めて重要で、最初の防衛線として機能しなければならない。司法当局は、犯罪行為が疑われる未成年者に対して断固たる措置をとり、必要な罰則を科すべきだ。また加害者には適切な賠償をさせるべきだ」とも付け加えている。(c)東方新報/AFPBB