【3月23日 CNS】二月二(旧暦2月2日)は龍擡頭(龍が頭をもたげるという意味)の日であり、一年の幸運を告げる日でもある。最近、中国の伝統的な村で歴史文化名村である「客家の故郷」、福建省(Fujian)龍岩市(Longyan)連城県(Liancheng)莒渓鎮(Lvxi)璧洲村(Bizhou)では、第6回「二月二」南宋灯篭文化祭が盛大に開催された。

 この時期は、春の耕作と種まきに最適な季節であり、例年通り春雨が降り、大地を潤している。3月10日の午後、璧洲村の永隆橋と文昌閣の間の田んぼで、「魚を捕ることで春の田んぼを賑わせる」という客家人特有の民俗行事が行われ、春の耕作の始まりを祝った。

 3月11日、璧洲村に夜が訪れると、明かりが灯された。太鼓の音と声援が響き渡り、3メートルを超える長さと2メートルを超える高さを誇る龍の頭が空高く掲げられ、数百人の村人が、南宋時代のさまざまな形の灯篭を持ち、大通りや小道を行き来し、田んぼの間を蛇行した。灯篭の行列が通ると、各家庭が香を焚き、ろうそくを灯し、花火が一斉に打ち上げられた。

 璧洲村の南宋灯篭は、その独特さと全て手作りであること、そして南宋時代の灯篭製造の精巧な技術を完全に保持していることで知られている。八角形の灯篭は、内外に二層、上下に三層があり、左右にはそれぞれ植木鉢が一つずつ設置されている。一組の灯篭には20以上の灯がある。

 灯篭の中では、一本一本のろうそくの光が灯篭を透かし、色とりどりに輝いている。村を巡る灯篭と、灯りが照らされる文昌閣、天后宮、永隆橋などの古建築群が互いに映え合い、美しい光景を創り出した。

 灯篭祭りで最も壮観なのは「盤龍」だ。布や紙で作られた龍、そして灯篭から成る300メートル以上の長い行列が村の広場に集まり、円を描いた。龍珠が龍の頭を引き、龍の体と尾がそれに続いて揺れ動き、時には跳ね上がり、時には急降下する様子は、見る人びとを魅了した。

 広場は人びとで溢れかえり、絶え間ない拍手と歓声、そして太鼓や花火の音が響き渡り、璧洲村の雰囲気を盛り上げた。

 璧洲村の「二月二」灯篭祭りは、南宋時代の設立頃に始まった800年以上に及ぶ歴史を持つ伝統的な民俗行事だ。2018年には、龍岩市第6回市レベル無形文化遺産代表的プロジェクトリストに登録された。

「今年は60組以上の灯篭があり、それぞれの家庭が一組を作成する。一組の灯篭を一人で完成させるには、15日から20日を要する」と、璧洲灯篭祭りの主催者である林鶯萍(Lin Yingping)さんは述べている。林さんによると、灯篭には家族や国家への祝福の言葉が書かれている。灯篭祭りの目的は、風調雨順と五穀豊穣を祈願することだという。(c)CNS/JCM/AFPBB News