【3月14日 CNS】中国・江西省(Jiangxi)の長江沿いにあるハ陽湖(Poyang Lake)は国際的に重要な湿地であり、アジア最大の渡り鳥の生息地だ。

 近年、江西省では「長江保護のための共同努力」の方針に従って、鄱陽湖と湿地の保護を強化している。

 同省の九江市(Jiujiang)都昌県(Duchang)にある鄱陽湖野生動物保護協会は、渡り鳥の観察とゴミの回収を実施しており、湿地の渡り鳥を保護している。2023年には306回のパトロールを実施し、4677キロを移動し、32匹の野生動物を救出した。また、湿地から約2トンのゴミを回収した。同協会は、これまでに800匹以上の渡り鳥を救助しているという。

 現在、ハ陽湖の湿地保護区では、渡り鳥が自由に飛び回り、観光客が遠くから望遠鏡で観察する姿が見られる。

 最近の調査では、約17万羽の越冬水鳥がハ陽湖で観察され、その中には国家一級保護動物であるコウノトリ359羽と白鳥1180羽も含まれている。

 ハ陽湖の保護区には23もの湖があり、湿地生態系を適切に管理することは越冬する渡り鳥にとって重要だ。枯水期の水資源と水辺環境を向上させ、渡り鳥の安全な越冬をサポートするために、江西省は総投資額約170億元(約3486億円)を投じて保護プロジェクトを開始している。

 ハ陽湖の水質は近年改善されているが、まだ安定していない。主要な問題は総リンの超過だ。総リン汚染は、工業廃水や生活排水などから主に発生している。総リン超過は、水質の富栄養化を引き起こし、藻類の急速な増殖をもたらし、水生生物に大きな悪影響を与える。

 さらに、総リン汚染は人間の健康にも影響を及ぼす。総リン汚染された水を飲んだり、食品加工に使用したりすると、有害物質を摂取して健康を害する可能性もある。 総リン汚染防止のため、江西省の地方議会にあたる人民代表大会では、総リン汚染防止条例が可決され、2024年1月1日から施行された。この防止条例は、総リン汚染防止に焦点を当てた地方法規としては中国初のものだ。子孫にハ陽湖の壮大な美しさを継承する努力が続いている。(c)CNS/JCM/AFPBB News