【3月13日 AFP】ジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領(81)が副大統領時代の機密文書を自宅などに持ち出した問題をめぐり捜査を指揮したロバート・ハー(Robert Hur)特別検察官は12日、下院司法委員会で証言し、バイデン氏の記憶の衰えを指摘したことや不起訴処分を決めたことを正当化した。

 ハー氏は共和党員で、ドナルド・トランプ(Donald Trump)政権下で連邦検事を務めた。昨年、メリック・ガーランド(Merrick Garland)司法長官によって特別検察官に任命された。

 ハー氏は先月公表した捜査報告書で、バイデン氏について「記憶に難がある善意の老人」と指摘し、起訴見送りを発表した。

 この指摘を受け、共和党は11月の大統領選に向けバイデン氏の年齢問題に改めて関心を集めさせることができると着目している。

 ハー氏は証言で「報告書に示した大統領の記憶力に関する評価は必要なものであり、正確・公正だ」とした上で、「私は指摘を削除しなかった。大統領の名誉を不当におとしめたわけではない」と釈明した。

 民主党議員の間からは、バイデン氏について根拠のない指摘をすることによって事実上、大統領選に影響を与えようとしていると非難する声も上がった。

 ハー氏は「私の仕事に政党政治が入り込む余地はない」と語り、そうした見方を否定した。(c)AFP/Chris Lefkow