【3⽉16⽇ Peopleʼs Daily】中国・新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)北部のアルタイ市(Altay)一帯は「人類スキー発祥の地」とされる。使うのは現代のスポーツ用スキー板とは異なり、底面に馬の皮を貼った板だ。馬の毛を後ろ向きにすることで、滑降する時には抵抗が少ないが、平地や上り坂では馬の毛が雪をとらえて板が後ろに滑らないようにする。以下は、この古い毛皮スキーの製作を伝承するクアンシュベク・イスランベクさんの談話を元に構成した文章だ。

 私の父はこの技術の伝承者であるイスランベク・シャギシュだ。私は幼い頃から父に古い毛皮のスキー板作りを習った。父は私に、毛皮のスキー板を作る際には板の原型作りから板を熱水に浸して曲げる工程、馬皮をきれいに処理することなど、すべての細部に職人の綿密な心を込めねばならないと教えてくれた。

「人類スキーの発祥の地」として知られるアルタイではかつて、古い毛皮スキー板が冬の交通手段として欠かせなかった。今では競技や観光関連で注目されている。改めて注目されるようになった古い毛皮のスキー板は、地元の冬の文化を紹介し、冬の観光を盛り上げる大切な手段になった。言わば「アルタイの名刺」だ。

 この地の古い毛皮スキー板を知る人が増え、私の家にも見学や購入に来る人が増えた。父は、手が回らなくなったと感じるようになった。私は、私たちが手がけてきた古い毛皮スキー板を好む人が増えたことを誇りに思い、2021年にタクシー運転手を辞めて、この古い技を伝承するために戻ってきた。

 私はこの家の毛皮スキー板作りの5代目だ。父が丁寧に教えてくれて、少しずつ技術を習得し、経験を積んできた。しかし今も、製作の過程で自分の欠点を見つける。例えば、どのようにして良い木と馬の皮を選び、どのようにすれば柔らかくて丈夫な牛革のひもを作れるかなどだ。私はこれからも学び続けねばならない。

 第16回新疆冬季観光産業交易博覧会と新疆ウイグル自治区第1回冬季競技大会で、わが家が作った古い毛皮のスキー板は各地からの観光客に認められ、称賛された。そのことで大いに奮い立たされ、今後も続けていく大きな励みになった。

 この技術で収入を得ることができるが、私はそれ以上に古い技を継承する努力に意義を見出している。私は村の数人の若者に製作技術を学ばせている。冬の観光シーズンには一緒に注文を受ける。1セットが1000元(約2万円)以上で売れる。皆の収入は悪くない。観光客向けに手のひらサイズのミニスキー板も作っている。観賞用に適し、持ち運びも便利だ。

 これからも絶えず研究し、新しいものを生み出し、現代スキー技術の要素と古い毛皮スキー板を結び付ける方法で、古い技術に若い活力を注ぎ、長い歴史を積み重ねてきたスキー文化に新たな輝きをもたらしたいと考えている。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News