【3⽉15⽇ Peopleʼs Daily】ここ数年来、一部の国で保護主義が台頭し、世界のサプライチェーンや産業チェーンの切断が増えた。そもそも貿易が弱含みであることから、経済グローバル化の「黄金時代」は終わったと考える人もいる。

 しかし経済のグローバル化は生産力の発展と科学技術の進歩の必然的な結果だ。例えば科学技術の発展は世界の貨物輸送や情報伝達、人の移動のコストを大幅に引き下げ、経済のグローバル化に物質面の基礎を提供した。

 経済のグローバル化は人類社会の発展と進歩に大きな力を提供してきた。1992年には約25兆ドル(約3760兆円)だった世界のGDPは、2022年には約101兆ドル(約1京5200兆円)に達した。1人当たりGDPは4659ドル(約70万円)から1万2647ドル(約190万円)に増加した。1992年に世界全体GDPに占める貿易額の割合は40.15%だったが、2019年には56.33%だった。同じ期間、世界の貧困人口の割合は36.5%から8.5%に低下し、人口の平均寿命は65.6歳から73.4歳に延びた。

 経済グローバル化に紆余(うよ)曲折が現れたのは、主に一部の西側諸国の政策のためだ。国際機関は保護主義の高まりを世界経済の回復に対する深刻な脅威とみている。国際通貨基金(IMF)は、経済の断片化が続けば、最終的にフランスとドイツのGDPの合計に匹敵する世界のGDPの7%が失われる可能性があると警告した。

 経済のグローバル化は「もろ刃の剣」でもある。貿易赤字の公平な補填は各国が直面する課題だ。しかし重要なのは問題を解決する方法を見出すことだ。国際社会は世界各国の人びとをより幸福にすることに着目し、手を携えて各国に恩恵をもたらす方策を提唱せねばならない。

 経済のグローバル化は特に発展途上国側の要求に対応し、資源分布の不均衡がもたらした国家間と各国内部の不均衡問題を解決せねばならない。世界各国の相互依存はすでに普遍化した。各国は自らを発展させるとともに、世界の均衡ある発展を考えねばならない。「パイ」を共に大きくし、公平に分け、さまざまな国、さまざまな階層、さまざまな人が発展の成果を享受できるようにせねばならない。

 経済のグローバル化は包容力を伴うべきだ。各国が自国の国情に合った発展の道を歩むことを支持すると同時に、全人類が共に発展するようにせねばならない。貿易と投資の自由化と円滑化を促進し、世界の産業チェーンとサプライチェーンの円滑さを維持し、各方面が相手の利益をも配慮して、世界経済の健全な発展を阻害する構造的問題を解決し、世界経済の成長の活力を維持せねばならない。

 経済のグローバル化は人類社会が前進するために必ず通らなければならない道だ。国際社会は手を携えて、より良き経済のグローバル化を前進させ、人類運命共同体の構築を推進するために力を注ぐべきだ。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News