【3月10日 AFP】アイルランドで8日、家族の定義拡大と「女性の役割」条項の削除を目指した憲法改正案の是非を問う国民投票が行われ、反対多数で否決された。

 現行憲法は時代遅れだとして、大半の野党を含む主要政党が改正案を支持していた。国際女性デー(International Women's Day)に当たる8日の投票に先立って実施された世論調査でも、問題なく承認されるとの予想が示されていた。

 しかし、9日夜に発表された開票結果によると、家族の定義に関する改正については投票した102万1000人のうち67.69%が反対。「女性の役割」条項では73.9%が反対票を投じた。

 レオ・バラッカー(Leo Varadkar)首相は改憲案否決を受け、「完全な敗北」を認めるとともに、「改憲の必要性や具体的な条文について有権者を説得しきれなかった」と述べた。

 改憲案では、家族の定義に関する条項では現行の婚姻に基づく家族だけでなく、一緒に暮らすカップルやその子どもらも含めることを目指していた。女性の役割をめぐっては、母親の「家庭における義務」という文言に代え、家族相互の扶助をうたった条文を加えるとしていた。(c)AFP/Peter MURPHY