【3月9日 AFP】インドネシアの国家運輸安全委員会(KNKT)は、民間航空機の機長と副操縦士が飛行中に同時に寝ていたことが調査で明らかになったのを受け、問題の航空会社に対して、操縦士の疲労管理を行う制度の改善を求めた。2月下旬にKNKTのウェブサイトに投稿された報告書をAFPが8日、確認した。

 KNKTの報告書によると、1月25日に東南スラウェシ(South East Sulawesi)州から首都ジャカルタに向かうインドネシアの航空会社バティック・エア(Batik Air)のエアバス(Airbus)「A320」機で、機長と副操縦士が飛行中、同時に約28分間眠っていた。同機には、乗客153人と客室乗務員4人が搭乗していた。

 離陸から約30分後、機長は仮眠を取りたいと副操縦士に伝え、許可を得た。その後、副操縦士が操縦を引き継いだものの、うっかり居眠りしてしまったという。

 ジャカルタの管制センターは、副操縦士との最後のやりとりが記録された数分後に交信を試みたが、応答はなかった。

 最後の通信記録から28分後に目を覚ました機長が、副操縦士が居眠りをして、同機が航路を外れていることに気付いた。そこですぐに副操縦士を起こして管制センターからの連絡に応答し、航路を修正したという。

 その後、同機は2時間35分のフライトを終え、目的地に無事に着陸した。

 当局は操縦士の身元を明らかにしていないが、いずれもインドネシア人で32歳と28歳。報告書によれば、「副操縦士には生後1か月の双子の子どもがおり、妻の育児を手伝っていた」という。

 KNKTはバティック・エアに対し、操縦室内で適切なチェックを定期的に行い、操縦士および客室乗務員に対してフライト前に十分な休息を確保する詳細な手順を作成するよう要請した。

 AFPは同社に取材を試みたが、コメントは得られなかった。(c)AFP