忠清南道洪城西部小学校の新入生募集ポスター(c)news1
忠清南道洪城西部小学校の新入生募集ポスター(c)news1

【03月07日 KOREA WAVE】少子化の影響で統廃合の危機に直面した韓国忠清南道洪城(チュンチョンナムド・ホンソン)の小学校が「破格の条件」を掲げ新入生獲得に力を入れている。だが現状では、成果は見えない……。

洪城西部面所在の西部(ソブ)小学校によると、昨年11月から洪城邑(ウプ)内の銭湯やカフェ、飲食店など多目的施設に「新入生募集」と書かれたポスターに学校の電話番号を書いて貼った。同校のもう一つのポスターには「乗馬や水泳、ピアノを学べる」という文句が書かれている。

切羽詰っているのは学校の教員だけではない。ポスターのQRコードには、この学校の6年生の子どもたちが制作した25秒の映像で、生徒たちは「西部小学校の水泳はどう、乗馬はどう、ゴルフはどう」と、後輩募集のためにハーモニーを合わせて歌った。

この学校の関係者は「乗馬は洪城郡が運営する乗馬クラブで、ゴルフ・水泳は貸し切りで無料レッスンをする」と話した。

しかし、このような努力にもかかわらず、4日に入学した新入生は2人に過ぎなかった。先月11人が卒業し、2人が入学したので昨年より9人減り、生徒数は30人に減少した。新入生は2021年の4人から昨年は3人だった。

隣接する新堂(シンダン)小学校は事情がさらに深刻だ。南塘(ナムダン)港から1キロの新堂小は昨年6人だった新入生数が今年2人とさらに減少した。全校生徒数は19人、教員数も19人で、教師1人当たり生徒1人の割合だ。

乗馬プログラムを始めたのは新堂小学校が先だ。さらに、浅水(チョンス)湾釣り体験や竹島(チュクト)トゥルレキル、干潟体験など、さまざまな放課後のプログラムを運営し、新入生の誘致に取り組んでいる。しかし、昨年に続き統廃合対象の30人を下回った。

この学校の関係者は「昨年統廃合の対象に上がったが、住民たちの反対で維持された。いくら良いプログラムでも生徒が集まらなければ意味がない」とため息をついた。

結城面(キョルソンミョン)の銀河(ウンハ)小学校は、今年の入学式を開くことができなかった。新入生が一人も入ってこないうえ、先月4人が卒業して全校生徒は13人に減り、16人の教職員数よりも少なくなった。

同校の関係者は「近くの村で5年ぶりに1人生まれ、7年後に入学するが、別の地域の生徒を誘致するしかない。新入生に奨学金と全校生対象のスキーキャンプと修学旅行を無料にすると広報し、積極的に活動しているが、新入生の誘致に結びついていない」と打ち明けた。

洪城郡によると、小学校21校に今年入学した新入生数は昨年の769人から今年は750人に減り、中学校10校の新入生は昨年810人から757人に減少した。

少子化の影響を受けた洪城郡の事情はまだましな方だ。洪城と隣接した保寧(ポリョン)市は今年、4つの学校で新入生の入学式を挙行できず、少子化による大量廃校の危機が現実に近づいている。

洪城教育支援庁の関係者は「統廃合対象の学校が、幼稚園と小学校で他の地域から新入生をを受け入れようと努めているが、事情は変わっていない。どんなに良い条件を掲げても新入生誘致の成果が出ていない」と苦渋の表情を浮かべた。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News