【3月5日 AFP】フィリピンのエンリケ・マナロ(Enrique Manalo)外相は4日、AFPの単独インタビューに応じ、中国と領有権を争う南シナ海(South China Sea)での緊張関係について、平和的な解決を望むとしながら、中国側に「嫌がらせをやめよ」と訴えた。

 インタビューは、豪メルボルンで開催された、オーストラリアと東南アジア諸国連合(ASEAN)との特別首脳会議に合わせて行われた。マナロ氏はその中で、領海内での中国側の行動を公表する自国の政策を擁護した。

 マナロ氏は「起きている事実を伝えようとしているだけだが、一部の国、もしくはある国はそれを問題視している」と指摘。「われわれに対する嫌がらせをやめ、別の行動をするなどすれば、われわれとしては公表する事柄はなくなる」と主張した。

 領海では最近、ルソン(Luzon)島沖のスカボロー礁(Scarborough Shoal)近くの海域を中国船が通過している。

 マナロ氏は一方、欧州連合(EU)との自由貿易協定締結交渉について、正式な形で「近く」開始されることを望んでいると述べた。

 フィリピンは対中貿易への依存度が高いとし、より大きな経済の「強靱(きょうじん)性」を獲得するには他の諸国との関係拡大の必要があると強調した。

 フィリピンはEUとの間で、数か月前から自由貿易協定をめぐる予備協議を行ってきた。(c)AFP