中国は新疆・チベットで人権侵害 国連高等弁務官
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【3月5日 AFP】国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)のボルカー・ターク(Volker Turk)高等弁務官は4日、中国の新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)やチベット自治区(Tibet Autonomous Region)で基本的人権の侵害が行われているとし、中国に対し、そうした行為をやめるよう求めた。同氏はこれまで、中国に弱腰だと批判されていた。
ターク氏はまた、中国に対し、刑法第 293 条に規定されている「騒動挑発罪」という「曖昧(あいまい)な」罪状で収監されている人権活動家や弁護士らを釈放するよう要求。
さらに、OHCHRをはじめとする人権団体が出した、「新疆やチベットなどでの基本的人権の侵害に該当する法律や政策、行為に関する」勧告の履行を求めた。
中国は、新疆ウイグル自治区でウイグル人など100万人以上のイスラム教徒の少数民族を強制収容しているとされるが、強く否定している。
ターク氏の前任のミチェル・バチェレ(Michelle Bachelet)氏は2022年、任期満了直前、新疆ウイグル自治区で「人道に対する罪」に相当する恐れのある行為が行われていると指摘する報告書を公表した。そこには拷問、強制的な医療行為、性的暴行、強制労働に関する「信頼性のある」証拠が詳細に列挙されていた。
在ジュネーブ国際機関中国代表部の陳旭(Chen Xu)大使はターク氏の発言を受け、各国に対し、「人権を内政問題への介入の口実として利用するやり方に抵抗」するとともに、「自分たちの価値観や発展モデルを他者に押し付ける」のをやめるよう呼び掛けた。(c)AFP