【3月3日 AFP】23-24スペイン1部リーグは2日、第27節の試合が行われ、首位レアル・マドリード(Real Madrid)は2-2でバレンシア(Valencia CF)と引き分けた。チームを率いるカルロ・アンチェロッティ(Carlo Ancelotti)監督は、物議を醸す試合終了のホイッスル後にジュード・ベリンガム(Jude Bellingham)が退場したことは「腹立たしい」と話した。

 バレンシアの本拠地メスタージャ・スタジアム(Mestalla stadium)で行われた一戦は、後半アディショナルタイム9分にベリンガムが決勝ゴールを決めたかに見えたが、ヘスス・ヒル・マンサーノ(Jesus Gil Manzano)主審はその直前のブラヒム・ディアス(Brahim Diaz)がクロスを上げたところで試合終了のホイッスルを吹いていた。レアルは控え選手もベンチを飛び出して抗議し、その中でベリンガムがレッドカードを受けた。

 アンチェロッティ監督は「あんなことは前代未聞だと思う。私は経験がない」と振り返り、「腹立たしいのは、ベリンガムへのレッドカードだ。彼はもちろんいら立っていたが、侮辱的なことは何も言っていなかった」と話した。

 レアルはこれでリーグ戦ここ3試合で2回目の引き分けで、2位ジローナ(Girona FC)との勝ち点差は7ポイントとなった。ジローナにとっては、3日の下位マジョルカ(RCD Mallorca)戦で勝ち点差を4に縮めるチャンスとなる。

 試合はバレンシアがウーゴ・ドゥロ(Hugo Duro)とロマン・ヤレムチュク(Roman Yaremchuk)のゴールで順当に2点を先制したが、レアルも前半アディショナルタイムにビニシウス・ジュニオール(Vinicius Junior)が1点を返して反撃を開始すると、ビニシウスが残り14分で2点目を決めて同点に追いついた。ビニシウスにとっては人種差別を受けた昨季以来のメスタージャでの試合で、ゴール後には客席に向けて右拳を突き上げるポーズを見せた。

 レアルが逆転ゴールを目指す終了間際には、バレンシアのムクタル・ディアカビ(Mouctar Diakhaby)が負傷。右脚がオーレリアン・チュアメニ(Aurelien Tchouameni)の下敷きになったディアカビは、両チームの選手が明らかにショックを受けた様子を見せる中、担架で運び出された。

 この後、主審はアディショナルタイムを7分取ったが、ベリンガムの幻のゴールが決まったのは、その時間をほぼ2分過ぎていたタイミングだった。

 一方、レアル・ソシエダ(Real Sociedad)はメンバーを入れ替えてセビージャFC(Sevilla FC)戦に臨んだものの、2-3で敗れ、ここ5試合で4敗目を喫した。3日後には欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2023-24)のパリ・サンジェルマン(Paris Saint-GermainPSG)戦が待つが、第1戦の0-2の敗戦から逆転したいソシエダにとっては不安の残る黒星となった。(c)AFP