【3⽉6⽇ Peopleʼs Daily】イラクは中国と「一帯一路(Belt and Road)」の建設を共に進める重要なパートナーだ。同国に進出した中国系企業は積極的に現地の経済や社会に溶け込んで事業を展開し、人材を育成し、両国と両国国民に現実の利益をもたらしている。

 イラクのワーシト県スワイラ市では、中国能源建設(中国能健、CEEC)傘下の中国葛洲壩集団が建設を請け負った下水管347.9キロ、揚水ポンプ場7か所、下水処理場1か所で構成される汚水処理システム第1期が2023年6月に稼働を始めた。同市では、生活排水の直接排出や、雨期に水を排出できないなどの問題が大幅に緩和された。

 同市でスーパーマーケットを営むハイデル・ムスタファ(Haider Mustafa)さんは「街が大きく変わりました。自宅を改築し、スーパーも開店できました。環境が改善すれば、私たちの生活はさらに良くなります」と語った。

 同市では20年前に全体的な開発計画を策定したが、排水問題のために実行は困難だった。汚水処理施設の登場で、農業機械取引ビジネスや小麦やナツメヤシの高度加工貯蔵工業施設などの同市開発の基礎が築かれた。

 10年間にわたりプロジェクトに携わった同市住人のファルーク(Farouk)さんは、安全情勢が悪化した際には多くの国際企業が撤退したが、中国企業は堅持したと述べた。中国企業により大量の雇用が創出されたことでも地元の人々に利益がもたらされた。

 イラクのハルファヤ(Halfaya)天然ガス処理場は、中国石油天然ガス集団(China National Petroleum Corporation)が建設したものだ。中国側は現地でより多くの技術労働者を育成するために、優秀な中国人技術者を教師とする「伝授と扶助」方式を採用した。中国石油工程建設中東地域公司の蒋峰(Jiang Feng)社長は、「イラクは経済再建に全力を挙げており、多くの技術人材が必要です」と説明した。

 イラク第4の都市ナシリヤ(Nasiriyah)で中国建築集団が建設を請け負うナシリヤ国際空港は2023年5月、「小さな技術者」を迎えた。同市の養護施設から来た子らは作業服やヘルメットを着用して、民間空港の熱気あふれる建設現場を体感した。

 最年少の3歳のアブドゥ(Abdu)さんは将来の夢を聞かれて、「大きくなったら飛行機に乗って、いろんなところに遊びに行きたいです。中国に行って、もっと遠くの世界を見に行きたいです」と答えた。

 ナシリヤ国際空港の建設は同集団とイラク民間航空局が2021年6月に契約した。年間利用者数は当初は75万人、将来的には年間200万人を見込んでおり、イラク南西部の航空の中枢となり、経済発展を後押しすると期待されている。

 中国の崔巍(Cui Wei)駐イラク大使は、「中国とイラクは互いに重要な経済貿易パートナーであり、両国の石油・ガス、電力、交通、通信分野での協力は大きな成果を上げています」と述べた。イラクと共に質の高い「一帯一路」建設を推進し、発展の新たな局面を絶えず切り開き、両国関係の素晴らしい明日を切り開いていくことが中国の願いだ。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News