【2月26日 CNS】今年のチベット暦の新年は、春節(旧正月、Lunar New Year)と同じ日になった。「過去2年間、チベット暦の新年の時、両親はラサ市(Lhasa)に行き、仏に幸福を祈ってきましたが、今年は家族全員で新年を祝います」と、青海省(Qinghai)玉樹チベット族自治州(Yushu Tibetan Autonomous Prefecture)のダイチンヨンツオウさんは記者に語った。玉樹の伝統的な習慣に従い、各家庭は大みそかの早朝に外に一晩置いた清水に牛乳を入れて洗顔する。この清水はチベット語で「カチェ」(晨星水)と呼ばれ、世間の悲しみと悩みを洗い流し、希望と幸福をもたらすと言われている。

 玉樹では各民族が頻繁に行き来し、互いに尊重し、賞賛し、学び合う伝統が形成されてきた。ダイチンヨンツオウさんは笑顔で「今、私たちはチベット暦の新年のお祝いの時にも春節の対聯を貼り、餃子を食べます」と語った。

 青海省海東市(Haidong)循化サラール族自治県(Xunhua Salar Autonomous County)文都チベット族郷では、多くのチベット族の人々がチベット暦の新年を祝っている。玉樹とは異なり、ここではチベット族の人々が独自の新年の習慣を守っている。

「チベット暦の12月29日には、村の人々が文都大寺に祈りに行きます。大みそかには各家庭が村の近くの川で氷の塊を取り、屋根に置き、新年を平和で息災に過ごせるように祈ります」と、文都チベット族郷相玉村に住むヅオジアツエヤンさんは述べている。各家庭では果物、キャンディ、小銭をぶら下げた小さな木も飾るという。   

 年越し料理を食べた後、深夜12時になると、村民たちは煨桑(枝を桑炉に入れて燃やした後、ツアンバや葉、ハダカムギ、果物、飴などを燃やす)という儀式で幸福を祈り始める。その後、15歳以下の子どもたちは村の各家庭を一緒に訪ねて新年のあいさつをし、村の人々に祝福を送り、踊ったり歌ったりする。にぎやかな雰囲気は翌朝まで続く。

 生活水準の向上に伴い、チベット族の人々がチベット暦の新年を祝う形式も多様化し、多くのチベット族の若者が家族を連れて「旅行しながら新年を祝う」スタイルを選ぶようになっている。

 青海省ゴロク・チベット族自治州(Golog Tibetan Autonomous Prefecture)に住む29歳のツアウンチユヅオさんは大みそかの前夜、兄と一緒に両親を連れて車で四川省(Sichuan)成都市(Chengdu)に新年を祝いに行った。「以前は家で新年を過ごしていましたが、去年両親が定年退職したので、今年はドライブ旅行で新年を祝うことにしました」と、ツアウンチユヅオさんは言う。観光マネジメント専攻だった自分の専門知識を生かして両親にガイドをしてあげながら、ゴロクから出発して変わった風景を味わうという計画を立てているという。(c)CNS/JCM/AFPBB News