(c)MONEYTODAY
(c)MONEYTODAY

【02月22日 KOREA WAVE】韓国の夫婦A氏とB氏(ともに70代)が卒婚した。「卒婚」とは夫婦が離婚せず、法的な婚姻関係を維持しながら互いに干渉せずに自由に独立して暮らすことを指す。この夫婦も、子どもが結婚して独立し、二人もそれぞれの人生を歩もうと合意した。

同じマンション団地の隣の棟に住み、名節や家族の行事を一緒に過ごした。妻のA氏は夫のB氏の部屋にしばしばおかずを持ってきた。B氏はA氏の家に問題が生じるたびに駆け付け、助けた。

順調な卒婚生活に亀裂が生じたのは、B氏に彼女ができてからだ。頻繁に家に彼女を呼ぶようになったB氏は、A氏と家族を遠ざけ、ついにA氏に離婚を要求した。

A氏は、有責事由がB氏にあるとし、離婚要求は受け入れられないとした。一方、B氏は「すでに卒婚をして別々に暮らしている間柄だから、法的に離婚することが何の問題なのか」と反論する。B氏の離婚要求が受け入れられるだろうか……。

◇卒婚と離婚の相違点

B氏は有責配偶者であることは間違いない。卒婚は、法的に婚姻関係が終わった「離婚」とは違う。

民法第840条1項には、配偶者に不正な行為がある場合、離婚を請求することができると明記している。この条項によって、夫婦は貞操義務に反する一切の行為をしてはならない。B氏は、卒婚中に他の異性を家に呼び込み貞操義務に違反したため、有責配偶者になる。有責配偶者が請求する離婚は原則的に受け入れられない。

A氏は浮気の事実を知ってから、離婚を決心して慰謝料を請求しようとする。離婚していない状態で浮気を理由に慰謝料を請求することは可能だ。

法律婚をそのままにして、他人と事実婚を結ぶ場合を「重婚的事実婚」と呼ぶ。重婚的な事実婚を結んだB氏は、事実婚とは違って、原則的に法的保護を受けることが不可能だ。実際、最高裁は2010年、判決文で「法律上、婚姻をした夫婦が別居している状態で、そのもう一方が第3者と婚姻の意思で実質的な夫婦生活をしているとしても、特別な事情がない限りこれを事実婚と認定し法律婚に準ずる保護をすることはできない」と判示したことがある。

ある弁護士は「A氏とB氏は依然として法律婚関係にあり、卒婚ではあるが、2人の関係が破綻したとは言い難いほど2人が親密に往来していた状況だ。A氏はB氏に夫婦間の貞操義務違反を原因とした損害賠償請求ができる」と語った。

(c)MONEYTODAY/KOREA WAVE/AFPBB News