世界の観光業関係者が、中国が世界に力を注ぎ込むことを期待
このニュースをシェア
【3⽉2⽇ Peopleʼs Daily】スペイン首都のマドリードでは1月24日から28日まで、第44回マドリード国際観光展(FITUR 2024)が開催された。同展には152の国と地域から1000社近くが出展し、来場した業界関係者は15万人超、一般来場者は約10万人だった。
国連世界観光機関(UN Tourism)はこのほど、2023年末までに国際的な観光業は新型コロナウイルス感染拡大前の水準の88%まで回復し、国際観光客は延べ13億人に達したとの見方を示した。2024年には国際観光業が感染症発生前の水準に完全に回復する見込みという。
国連世界観光機関による最新の観光信頼度指数調査によると、調査対象になった専門家の67%が2024年の業界の見通しは前年よりも良好あるいは大幅に良好と回答した。
コロンビア首都のボゴタ(Bogota)観光局のアンドレス・サンタマリア(Andres Santamaria)局長は、「中南米と中国の間でより多くの航空便が就航し、双方の観光客の往来が推進されることを望みます。中国側と地域フォーラムや観光商談会を行って協力を強化し、観光業の回復を共に促進することに期待します」と述べた。
国連世界観光機関のズラブ・ポロリカシビリ(Zurab Pololikashvili)事務総長は「今は中国人観光客が戻ってきており、同時に人びとは中国に旅行に行きたがっています」と述べ、中国が2024年の世界の観光業の回復に貢献するとの見方を示した。
最近になり、中国とシンガポール、中国とタイは普通旅券所持者のビザを相互免除する協定を締結した。中国はスイス、アイルランドに一方的にビザ免除を与えると発表した。中国は昨年12月1日からフランス、ドイツ、イタリア、オランダ、スペイン、マレーシアの6か国に対し、一方的な入国ビザ免除政策を実施している。
スペインで観光業に従事するアグスティナ・ガリード(Agustina Garrido)さんは「ビザ免除が発表されてから、スペイン人からの関連サービスの問い合わせが相次ぎました」と説明した。かつては中国ビザの取得費用は150ユーロ前後(約2万4000円)で、観光客は少なくとも2週間前に申し込まなければならなかった。今ではビザ取得が必要ないので中国旅行に「駆け込みで」申し込めるようになり、関心がかなり高まったという。
スペインの観光業界関係者は、より多くの中国人観光客がスペインを訪れることも望んでいる。スペイン国家観光局によると、2023年上半期にスペインを訪れた中国人観光客の数は前年同期比420%増、支出額は592%増だった。スペインの観光業界は航空便の再開に伴い、中国との協力の一層の強化を期待している。
国連世界観光機関のナタリア・バヨナ(Natalia Bayona)執行役員は、「中国のビザ免除政策は世界の観光業に対する中国の信頼と自信を示しており、世界の観光業の回復を後押しする一助になります」と述べ、中国がけん引することで、アジアの観光市場には大きな可能性が生じ、中国と周辺国の観光業は共に繁栄することになるとの見方を示した。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News