【2月21日 AFP】英ロンドン警視庁(Metropolitan Police Service)は20日、ロンドンのテムズ川(River Thames)で発見された遺体は、女性とその幼い娘2人を腐食性物質で襲撃した容疑で指名手配されていた男のものとみられるとの見解を発表した。

 アブドゥル・エゼディ(Abdul Ezedi)容疑者(35)はアフガニスタン出身。性犯罪歴があるが、難民として認定されたと報じられている。

 同容疑者は先月31日、ロンドン市内で31歳の女性と、8歳と3歳の娘2人を腐食性物質で襲撃して逃走。警察は「顔の右側に大きな傷がある」とする情報を公開し、市民に警戒を呼び掛けていた。

 警察は今月、エゼディ容疑者がロンドンのチェルシー橋(Chelsea Bridge)で目撃されたのを最後に、川に飛び込んで水死した可能性が高いとの見方を示していた。

 ジョン・サベル(Jon Savell)警視長は、19日夜にテムズ川を航行中の船舶から、水死体を発見したとの通報を受けたと説明。「襲撃時に着用していた特徴的な衣服と、所持品から、エゼディ容疑者に間違いないと判断している」と述べた。

 同容疑者と以前に交際していたとされる被害女性は、親族によると、現在も入院中で、片目を失明したという。

 英国では酸を含む腐食性物質による襲撃事件は、2017年に記録された941件をピークに減少していた。だが、酸による暴力の根絶と被害者支援に取り組む国際団体「アシッド・サバイバー・トラスト・インターナショナル(ASTI)」によると、2022年から再び急増している。(c)AFP