【2月21日 AFP】国連(UN)の世界食糧計画(WFP)は20日、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)では飢餓が広がっているにもかかわらず、ガザ北部への支援物資の輸送を停止すると発表した。車列が略奪と銃撃を受けたことから、安全確保のためとしている。

 WFPは18日、3週間ぶりにガザへの物資搬送を再開した。予定では、7日間にわたって毎日トラックで食料を輸送することになっていた。

 だが、18日には「トラックによじ登ろうとする人々」を阻止する事態にたびたび追い込まれ、車列がガザ市(Gaza City)に入ると銃撃も受けたという。

 翌19日には、「社会秩序の崩壊に伴う完全な混乱と暴力」に直面。「トラック数台が略奪され、運転手1人が殴られた。車内に残っていた小麦粉は、怒号が飛び交い緊張感が張り詰めたガザ市内で、勝手に分配された」という。

 WFPは「安全に物資を配布できる状況が整うまで」は搬送を停止せざるを得ないとし、「ガザの状況はさらに悪化し、より多くの人が餓死する恐れがある」ため、苦渋の選択だったと強調した。

 イスラエルとイスラム組織ハマス(Hamas)の軍事衝突が始まってから4か月以上が経過する中、WFPによると、ガザでは食料と安全な水が「絶望的」に不足している。(c)AFP