中国の動力用電池製造業、新たな技術とビジネスモデルを獲得中
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【2⽉28⽇ Peopleʼs Daily】2023年には中国の動力用電池の累計販売容量が前年比32.4%増の616.3ギガワット時に達した。輸出では同87.1%増の127.4ギガワット時だった。世界の電気自動車(EV)搭載台数トップ10の動力用電池メーカーのうち中国企業が6社を占めた。
中国の動力用電池企業は研究開発を続け、技術水準を新たな段階に引き上げつつある。電池の体積利用率は、世界最高の83.7%に達した。15分充電による自動車の走行距離は500キロ以上も伸びた。
固体電池など、新たな電気化学体系の登場はまさに革命であり、走行距離や充電、安全性などの問題を解決すると期待されている。上海汽車集団(SAIC)、広州汽車集団(Guangzhou Automobile Group)、長安汽車(Changan Automobile)などの自動車メーカーはいずれも2027年までに固体電池の量産を実現すると表明している。
また、多くの中国完成車メーカーが電池の製造に参入して、すでに段階的な成果を得ている。吉利控股集団(GEELY)の安聡慧(An Conghui)総裁は、「動力用電池は新エネルギー車の最も重要で最も高価な部品の一つであり、安全性や走行距離、充電効率などユーザーの使い勝手にも直接に関わります」と述べた。自動車メーカーが優秀な電池を自主開発することは競争の主導権を握る鍵の一つだ。
中国自動車工業協会の王耀(Wang Yao)事務局長補佐は、「2023年には、中国の動力用電池関連のビジネスモデルの革新に画期的な進展がありました」と述べた。例えば上海蔚来汽車(NIO)が長安汽車および吉利汽車と電池交換業務で提携したことだ。
中国政府は、新エネルギー車の電池交換モデルの発展を支持すると何度も表明してきた。しかし、自動車メーカーや電池メーカーの規格が統一されておらず、互換性がないためにその進展は限定的だった。
王事務局長補佐は「電池の交換パターンの共有化は、動力用電池の全ライフサイクル管理の重要な障害を突破するのに役立ちます」と説明した。電池の交換パターンが共有化されれば、車体と電池のビジネスを分離しやすい。そうすれば電池のリースや販売を行う「電池管理会社」といった新たな業種を生み出す可能性があり、そのような電池を専門に扱う会社は豊富なデータを収集し、規格化を主導することも容易だ。さらに動力用電池としての寿命が尽きた場合に、まだ使用可能な別の用途での利用や、最終的な廃棄後の解体や回収の効率を高めるはずだ。
浙江省(Zhejiang)衢州市(Quzhou)内にある衢州極電工場は、同省初の電力、電気通信、広播電視(放送)についての「三電未来工場」のテスト企業だ。同社は「5G+産業インターネット」を活用し、ビッグデータ、人工知能(AI)、デジタルツインなどの先進技術を駆使している。生産ラインは全自動化されており、各ラインが2.5秒ごとにセル1個を製造する。
中国の動力用電池企業はスマート製造を全面導入することで、コスト、効率、製品の歩留まりなどで世界をリードし、製品の海外輸出に堅固な基礎を築いた。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News