【2月16日 CNS】数千機のドローンが夜空にさまざまな模様を描き、「東洋の真珠」と呼ばれる香港の春節を彩った。「カラフル香港」と題されたショーは1月28日夜に開催された。ドローン編隊ショーは近年、中国の大規模イベントによく登場する人気パフォーマンスになっている。

 ドローンの性能の向上に伴って、こうした新興市場の可能性が急速に広がっている。中国の業界関係者によると、数千機のドローンを高度100メートルの上空で制御するには、事前に設計された3次元アニメーション通りの正確な動きが必要になるという。具体的には、無線通信による自動制御、ドローンの軌道計画、3次元モデリングとシミュレーション、LED照明の明滅プログラムなどが必要だ。

 現在、中国のドローンショーは産業チェーンを形成している。深セン(Shenzhen)ドローン産業協会によると、主要4社とその関連業者が中国市場の90パーセント以上のドローンショーのシェアを占めている。主に中国各地の観光プロジェクトなどがドローンショーの市場になってきているという。

 2021年2月、中国共産党中央委員会と中国国務院(政府)が発表した「国家総合立体交通網計画要綱」で、ドローンなどを活用した「低空経済」を発展させる方針が初めて提案された。

 2023年12月には、中国の重要な経済会議である「経済工作会議」によって、低空経済は「戦略的新興産業」に位置づけられた。

 さらに2024年1月1日からは「無人航空機飛行管理に関する暫定規定」が正式に施行され、中国のドローン産業関連の法規が整備され、ドローン産業は新たな発展段階に入った。

 現在、ドローンによる低空経済は主要国の新たな競争分野となっている。米ロサンゼルスや東京、大阪などもドローンによる発展を目指す典型的な都市だ。米国の投資銀行モルガン・スタンレーは、世界の「低空経済」を意味する都市型航空モビリティー市場は 2050年に9兆ドル(約1353兆円)の規模になると予測している。(c)CNS/JCM/AFPBB News