首都上流に核廃棄物処分場を建設、先住民らが抗議 カナダ
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【2月15日 AFP】カナダで13日、首都を流れるオタワ川(Ottawa River)上流に核廃棄物処分場を建設する計画について、規制当局による許可を取り消すよう政府に求め、野党の支援を受ける反対派がデモを行った。
カナダ原子力安全委員会(Canadian Nuclear Safety Commission)は先月、オタワ北方約180キロに位置する町チョークリバー(Chalk River)への核廃棄物処分場の建設を認可している。これについて先住民の首長や長老、ブロック・ケベコワ党と緑の党の指導者、複数の環境保護団体は、首都圏の飲料水汚染が懸念されるとして反対している。
オタワ川は首都の住民100万人以上と140の近隣地域に飲料水を供給している。抗議デモの参加者の一人はAFPに「処分場はオタワ川から1キロしか離れておらず、漏出が心配だ」と語った。
処分場はチョークリバー研究所(Chalk River Laboratories)の核廃棄物、最大100万立方メートルを貯蔵する計画となっている。1944年に開設された同研究所では、1952年12月に世界で初めて原子炉のメルトダウンが発生し、1958年にもメルトダウンが起きている。
カナダ原子力安全委員会は、2018年の廃炉と環境修復や、過去の核研究活動から排出された汚染物質、病院や大学から出た核廃棄物などを保管すると説明している。
規制当局は「環境に重大な影響を及ぼす可能性はない」と強調。ジャスティン・トルドー(Justin Trudeau)首相は14日の下院で、「これは政治的な決定事項ではなく」専門家に任せるべきだと述べ、介入しない考えを示した。(c)AFP