中国・ハルビン市の名物ホテル、馬迭爾賓館の「モダン」な物語
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【2月15日 Xinhua News】中国ではこの冬、黒竜江省ハルビン市が観光地として人気を集めており、ネット上では同市に対する親しみを込めた呼称として「爾浜」(アルビン)という言葉が流行している。中でも中央大街の馬迭爾賓館(モデルンホテル)は、必ず訪れるべきスポットの一つとされており、建物の内も外も常ににぎわっている。
モデルンはロシア語でモダン、流行という意味を持つ。同ホテルは1906年に建てられた、同市で最も古い高級ホテルの一つで、市の重要な歴史と文化のシンボルになっている。レンガ造りの建物で、ファサードの上部には輪郭が明確で広々としたパラペットが配されているほか、アーチ型の窓が上品に装飾されている。屋内の壁面は優雅な壁画や全面の鏡張りになっており、柱の端には精巧な彫刻が施されている。柔らかさに満ちたラインや、きらびやかなシャンデリア、大理石の表面仕上げ、精緻な飾り枠など、ルイ14世時代のフランス貴族の雰囲気が漂う。
同ホテルを運営するハルビン馬迭爾集団は3度の組織改編を経て97年に株式制国有企業となった。現在はホテル宿泊事業のほか、中国料理・西洋料理の飲食事業、文化・観光事業などを行っている。歴史ある氷菓や総菜、生鮮食品など6分野の伝統と革新を融合した食品100種類余りを開発し、新小売(ニューリテール)や新ビジネスモデルを活用した総合的なマーケティングで、老舗ブランドの活性化に取り組んでいる。同社が手がけるアイスキャンデー「馬迭爾氷棍」は独特の食感を持ち、中央大街の名物としてネット上で注目を集める商品で、1969年から2023年までの累計販売数は1億4千万本に達している。
また、同ホテルの「バルコニー音楽」は音楽の街ハルビンの「モダン」な一部になっている。真っ白な雪が軽やかに舞い、ネオンが点滅し、バルコニーから抑揚に満ちた音楽が流れると、観光客はスマートフォンを取り出して撮影をしたり、旋律に合わせて体を揺らしたりと、ハルビン風の「モダン」な夜を楽しむ。
同ホテルではこのところ、「馬迭爾バルコニー音楽+(プラス)」シリーズイベントを継続的に行っており、「音楽と詩詞のコンサート」「ショーウインドー音楽会」などの催しを通じて同省の氷雪観光に新たな文化的要素を注ぎ込んでいる。(c)Xinhua News/AFPBB News