【2月13日 CNS】省レベルの地方両会(人民代表大会・人民政治協商会議)は、2024年に中国各地の経済がどのように発展するのかを見るための重要な観察窓である。31の省・自治区・直轄市はすでに2024年の経済成長目標を設定している。具体的な措置として、「イノベーション」を中心に、新たな質の生産力から新たな成長動力を引き出すことが、各地の計画の重点任務となっている。

 新年のGDP目標を設定した各省を見ると、大多数の省が5パーセント以上を目指しており、その中でも海南省(Hainan)とチベット自治区(Tibet Autonomous Region)は2024年の成長率の目標を約8パーセントに設定し、全国で最も高い目標を掲げている。

 目標はすでに設定されているが、その実現方法が鍵となる。中央経済工作会議の采配に従い、「科学技術イノベーションによる現代化産業体系の建設のけん引」が重点任務の先頭に置かれている。会議では、科学技術イノベーションによる産業イノベーションの推進を強調し、特に破壊的技術と先端技術による新産業、新モデル、新原動力の発展、および新たな質の生産力の発展の推進を強調している。

 各地で打ち出された2024年の具体的な計画はこの要求と密接に関連しており、「イノベーション」を強調し、科学技術イノベーションという視点をしっかりと捉え、新たな質の生産力の形成に注力している。

 未来産業の配置については、未来産業を積極的に発展させることは科学技術の進歩をリードし、産業の高度化を促進し、新たな質の生産力を育成する戦略的選択となっている。未来産業の先導地区の構築は、多くの省が競って取り組む「先手」の一つとなっている。

 新たなルートの開拓について、北京市は量子、ライフサイエンス、6Gなどの未来産業の新たなルートの開拓を提案している。江蘇省(Jiangsu)は未来ネットワーク、量子、ライフサイエンス、水素エネルギーと新型エネルギー貯蔵、深海・深地球・深宇宙などの産業の新たなルートの開拓を明確にしている。

 重要技術のブレークスルーも目標とされている。湖北省(Hubei)は高性能AIチップ、インテリジェント数値制御(NC)工作機械、ハイエンド医療機器などのテクノロジーのブレークスルーを目指し、力を注ぐこととしている。生合成、宇宙技術などの1000億クラスの科学技術イノベーションの起爆剤について先見的に計画し、イノベーション競争での優位なポジショ二ングの構築を提案している。一方で北京市は、集積回路(IC)の大規模プロジェクトを加速し、光電集積、チップレット技術などの分野でのさらなる突破を目指している。

 2024年は、中国経済が持続的に回復し、高品質な発展を実現するための重要な年となる。各省は、新たな質の生産力を目指し、科学技術イノベーションをけん引役とし、新たな原動力を引き出し、経済の高品質な発展を新たな段階に引き上げるための努力を続けている。(c)CNS/JCM/AFPBB News