【2⽉13⽇ Peopleʼs Daily】2023年における中国の新エネルギー車販売台数は前年比37.9%増の949万5000台だった。輸出は同77.6%増の120万3000台だった。

 好調の背景には、技術力の向上がある。自動車メーカーの長安汽車(Changan Automobile)の技術者である廖興渝(Liao Xingyu)氏は、2024年上半期に発売される同社のCD701について、800ボルト・10分の充電で航続距離200キロを実現すると説明した。新技術開発の加速に伴い、中国の自動車メーカーは「技術標準の受け入れ側」から「標準の制定者」へと、立場を変えつつある。

 比亜迪(BYD)は2023年12月、ハンガリーのセゲド市(Szeged)に新エネルギー車の生産拠点を建設すると発表した。BYDはこれに先立ち、総額約45億元(約920億円)を投資して、ブラジルのバイーア州(Bahia)カマサリ市(Camacari)に3工場から成る大型生産拠点を設立し、2024年下半期に生産を開始すると発表していた。

 東南アジアは中国の自動車メーカーの「熱い進出先」だ。長安汽車、上海汽車(SAIC)、BYD、哪吒(Neta)が進出を加速させている。

 上海汽車集団傘下の上海汽車国際の余徳(Yu De)社長によると、同社はすでに海外でタイ、インドネシア、インド、パキスタンに製造拠点を設けているが、欧州での売れ行きも好調であるために、現在は欧州初の完成車生産工場の立地選定を進めているという。

 国外の老舗自動車メーカーも、中国の自動車メーカーの技術力に注目している。フォルクスワーゲングループ(Volkswagen)は2023年7月、小鵬汽車(Xpeng)の4.99%の株式を保有して技術分野での長期協力を締結したと発表した。アウディ(Audi)と上海汽車は上海汽車側の技術を投入することで上海汽車アウディブランドの新型EVを共同開発する。

 世界第5位の自動車多国籍企業のステランティスグループ(Stellantis)は、15億ユーロ(約2370億円)を投資して中国のEVメーカーである零跑汽車(Leapmotor)の戦略的株主になると発表した。両社は51%対49%の出資比率で「リープモーターインターナショナル」を設立し、零跑汽車の高い技術力を投入した自動車の販売を加速するという。

 アルミ合金のダイカストも重要技術だ。複雑な工程を省略し、車体を軽量にできる。小鵬汽車広州工場の超大型スマートアルミダイカストユニットは、生産トン数で世界1位だ。また、ダイカスト工法の普及により、力勁科技や海天金属などのダイカスト設備メーカーが成長した。力勁科技は一体型アルミダイカスト設備のシェアで世界1位だ。

 中国政府関係者は、「中国では新エネルギー車の急発展に伴い、5Gやモバイルインターネット、ビッグデータ、人工知能(AI)など多くの新技術が融合しています」、「高効率で協同する産業体系が構築されており、自動車産業の生態は全面的に再構築されつつあります」と説明した。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News