全豪王者シナー、母国イタリアは熱狂も自分は「前と同じ」
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【2月2日 AFP】男子テニス、世界ランキング4位のヤニック・シナー(Jannik Sinner)は、イタリア勢初の全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament 2024)王者となってもこれまでの自分と変わっていないとした上で、世界1位になるという次の大きな目標を掲げた。
先月行われた全豪オープンで、22歳のシナーは準決勝でノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)を撃破すると、決勝ではダニール・メドベージェフ(Daniil Medvedev)に2セットダウンからフルセットの逆転勝利を飾った。
この劇的優勝で母国では「シナーマニア」という熱狂の波が起きているが、本人はしっかり地に足を着けている。ローマに戻ってイタリアテニス連盟(FITP)で臨んだ会見では、「自分はタイトルを獲得する前と同じだ」とし、「人々の温かさや熱狂を感じて喜んでいるが、自分は2週間前と同じ若者だ」と語った。
また、「この人気については冷静に受けて止めている」といい、「これらの感情を共有できてうれしいけれど、まだ1大会にすぎないし、これから先もこうした良い結果を出せるとは限らない」と話した。
四大大会(グランドスラム)の男子シングルスでイタリア勢が優勝するのは、1976年に全仏オープン(French Open)を制したアドリアーノ・パナッタ(Adriano Panatta)以来、48年ぶり。次は世界1位を視野に入れているシナーだが、それにはまだ時間を要するとして「世界ナンバーワンになる? トップ5からトップ3に入るのとは大きな違いがある」と話し、「トップ3から世界1位になるのも同じだ。一歩ずつステップを踏んでいく必要がある」と冷静に語った。
シナーは先月30日に豪メルボルンから帰国すると、イタリアのジョルジャ・メローニ(Giorgia Meloni)首相と面会。今月1日には、男子の国別対抗戦デビスカップ(Davis Cup 2023)の優勝メンバーとともにセルジョ・マッタレッラ(Sergio Mattarella)大統領の歓迎も受けた。
こうした多忙なスケジュールで、次週のオープン13(Open 13 Provence 2024)を見送り、今月上旬に開催されるサンレモ音楽祭(Italian Music Festival of Sanremo 2024)の招待も辞退した。
復帰戦はオランダ・ロッテルダム(Rotterdam)で行われるABNアムロ・オープン(ABN AMRO Open 2024)の予定で、すでに今季グランドスラム第2戦の全仏オープンテニス(French Open 2024)も見据えている。(c)AFP