【2月5日 Xinhua News】中国北京大学地球・空間科学学院がこのほど、国内外7機関の研究者と合同で、トルコとシリアの国境付近で昨年2月に相次いで発生した2回の大地震の破壊プロセスを再現した詳細な時系列のイメージを作成、国際的な学術誌「サイエンス」に発表した。地震発生のプロセスとメカニズムを理解し、防災や減災を進める上での重要な参考資料となる。

 トルコ大地震ではマグニチュード7以上の地震が2回にわたって発生、観測史上最大の「双子地震」となり、多数の死傷者と甚大な経済損失を引き起こした。その破壊プロセスや原因は世界地震学界の注目の的となっている。

 研究チームは地震発生時の地震波や衛星測位システム、合成開口レーダーなどのさまざまなデータの分析を通じ、地震発生プロセスのインバージョン解析を行うとともに、三次元モデルを構築。各断層セグメントの破壊時間と速度、断層面上の滑り変位分布を解析し、動的応力の状態と誘発プロセスを計算した。

 研究では、1回目の強い揺れにおける初期破壊が主断層南側の分岐断層上で発生し、破壊速度は秒速約4・2キロと超せん断速度に達していたことが明らかになった。また、これにより生じたマッハ波がまず主断層に到達し、分岐点の西約10キロの位置で主断層上の破壊を誘発した後、主断層の両側に沿って破壊が伝わったこともわかった。2回目の強い揺れは破壊速度が不均一で、断層中間部から始まった破壊が東西両側に向かって伝わった。シミュレーションでは、改正メルカリ震度階で強い地震とされる震度6以上の範囲が超せん断破壊の発生により20%拡大したことが示された。

 同学院の岳漢(がく・かん)副教授は、中国などで起こる内陸型地震は、世界でよく見られる海溝型地震とは異なる発生の特徴を持つと指摘。「トルコで起こった地震の研究は内陸型地震の発生メカニズムを理解し、地震問題を解決する道筋を探す役に立つ」と語った。(c)Xinhua News/AFPBB News