【2月1日 AFP】米連邦航空局(FAA)は1月31日、航空機に対するレーザー光照射の昨年の報告件数が過去最多だったとし、安全上の脅威だとしてやめるよう警告した。

 FAAによると、パイロットが昨年報告したレーザー光照射は前年比41%増の1万3304件で、2010年の統計開始以来最も多かった。大半は夜間に離着陸する航空機のコックピットを狙ったものだという。

 米国で航空機にレーザー光を照射すると、連邦法や州法などの刑事罰に加え、1万1000ドル(約160万円)以下、常習犯の場合には3万800ドル(約450万円)以下の罰金をFAAに科される可能性がある。

 当局は航空機に対するレーザー光照射急増の原因について、低価格かつ高出力のレーザーポインターがインターネット経由で入手しやすくなったこと、より視認しやすい緑レーザーの登場を挙げている。パイロットに事故報告を行うよう広く呼び掛けている点も、報告件数増加の一因とみられる。

 レーザー光は目に当たると網膜に深刻な損傷を与える恐れがある。出力が高いものほど危険だが、出力表示が不明瞭だったり、虚偽表示がされたりしていることも多い。

 FAAの統計によれば、2010年以降、レーザー光照射でパイロットが目を負傷する事例が313件起きている。(c)AFP