【2月1日 AFP】ロシア大統領府(クレムリン、Kremlin)のドミトリー・ペスコフ(Dmitry Peskov)報道官は1月31日、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領がワレリー・ザルジニー(Valery Zaluzhny)軍総司令官に辞任を迫っているとの観測が浮上していることについて、政権・軍双方のトップ同士の対立を示すものだとの認識を示した。

 ウクライナのメディアは今週、ロシアによるウクライナ侵攻が2022年に始まる前から軍トップを務めてきたザルジニー総司令官の解任にゼレンスキー氏が踏み切る見通しだと報じた。

 後任としてウクライナ国防省情報総局(GUR)のキリロ・ブダノフ(Kyrylo Budanov)局長の名前も取り沙汰されている。

 ザルジニー氏が昨年、英誌エコノミストに掲載されたインタビュー記事で、戦況はこう着状態に陥っていると発言したのを受け、ゼレンスキー氏との間に溝ができているのではないかとの見方が広がっていた。

 ペスコフ報道官はモスクワで記者団に対し、ザルジニー氏の解任観測について、ウクライナの文民、軍双方のトップの間の「溝が広がっている」ことを示していると指摘。その背景には「反転攻勢の失敗と前線における緒問題があるのは明らかだ」と述べた。

 さらに、「ロシアの特別軍事作戦は戦果を上げ続けており、(ウクライナ側の)分裂はこれからも拡大するだろう」と語った。(c)AFP