【1月29日 CNS】辰年の干支(えと)切手が人気を博している。中国郵政集団(China Post Group)は1月5日、「甲辰年(きのえたつどし)」の特別切手2枚1組を正式に発行した。切手のデザインは「天龍行健」と「辰龍献瑞」の2種類で、切手の額面は1組2.4元(約49円)だ。

 報告によると、争って購入された辰年切手はデザイナーの王虎鳴(Wang Huming)氏によるものだ。そのデザインは、中国の歴代のクラシックな龍のイメージの伝承文化を取り入れ、新しい時代、新しい歴史時期の龍のイメージをとらえている。画面はシンプルで明快、色彩は祝福と吉祥を象徴し、瑞祥・美好を意味している。

 記者は8日、一人の消費者として北京市西城区(Xicheng)の郵便局に切手の販売状況の調査に赴いた。スタッフによると、現在は切手の記念アルバムは1冊しか残っていないという。5日の発行当日、郵便局の開店前にすでに多くの人々が並んでおり、郵便局で販売された1920セットの切手と65冊の切手帳は、2時間で完売したという。

 また、ある電子商取引(EC)プラットフォームでは、額面38.4元(約792円)の大判切手の販売価格は215元(約4437円)で、プレミアム率は459.9パーセントに達した。さらに、額面14.4元(約297円)の小判切手の販売価格は30元(約619円)から45元(約928円)の間で、プレミアム率は108.33パーセントから212.5パーセントだった。

 北京師範大学(Beijing Normal University)の万喆(Wan Zhe)教授によると、辰年切手の大人気の理由は、龍は中国では通常、吉祥と瑞祥の象徴で、切手自体にも一定の金融的な特性と価値上昇の余地があるからだという。

 記者は郵便局の外で、辰年切手を値上げ販売している業者に出会った。この業者によると、発行日である5日、ある顧客は15時間並んで切手帳を購入した後、1冊だけを残し、残りはすべて値上げして転売したという。

 購入者層を見てみると、主に中高年の人々だ。業者によると、若者も切手を購入するが、その大半が価格の上乗せを主な目的としており、現在、郵便料金の意味はどんどん薄まり、切手の発行量も年々減少している傾向にある。

 万教授によると、辰年切手にプレミアム価格がつくのは、その発行量と密接な関係があるという。「価格は市場の需給関係によって決まる。需要が相対的に旺盛な状況下で供給量が減少すると、価格は上昇し切手は入手しづらくなっていく」。さらに、辰年切手は宣伝面に力を入れており、有名人を招いた宣伝により人気が高まっていることもあると、万教授は述べている。

 今日では、人々は切手に対して以前とは異なる期待を抱いていると万教授は語る。消費と文化の高度化の中で、切手が新たな消費ニーズを満たし、文化的、美的側面で革新的な突破を達成することが、若いコレクターを引きつける要素になっているという。(c)CNS/JCM/AFPBB News