【1月27日 AFP】国際司法裁判所(ICJ)は26日、イスラエルに対し、イスラム組織ハマス(Hamas)との戦闘で「ジェノサイド(集団殺害)」行為を防ぐよう命じた。ただし、戦闘停止要請には踏み込まなかった。

 ICJは「集団殺害罪の防止および処罰に関する条約(ジェノサイド条約)」で規定されている「すべての行為を防ぐ」ためにあらゆる措置を講じなければならないと命じた。また、「急務」とされるパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)への人道支援を円滑に進めなければならないとした。

 これに対してイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は、イスラエルがジェノサイドに関与しているというのは「虚偽であり、言語道断だ」と反発。ヨアブ・ガラント(Yoav Gallant)国防相も、「道徳を説かれるいわれはない」と非難した。

 また、同盟国である米国も、イスラエルの行為がジェノサイドに当たるとの主張には「根拠がない」と改めて表明した。

 一方、ハマスはICJの判断について、「イスラエルを孤立させ、ガザでの犯罪を明らかにすることにつながる」と歓迎した。

 パレスチナ自治政府は、「あらゆる国は法の下に平等」であることを示していると評価。欧州連合(EU)は、ICJの命令を即時に履行するよう求めると表明した。(c)AFP