【1月27日 AFP】男子テニス、世界ランキング1位のノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)は26日、全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament 2024)準決勝でのまさかの敗戦に、これまでの「四大大会(グランドスラム)で最悪の試合」だったと認めつつ、これが「終わりの始まり」ではないと強調した。

 通算10度の全豪制覇を誇る36歳のジョコビッチは、ヤニック・シナー(Jannik Sinner、イタリア)との準決勝で54本のアンフォーストエラーを犯したほか、1度もブレークポイントを奪えずに1-6、2-6、7-6(8-6)、3-6で敗れ、メルボルンパーク(Melbourne Park、全豪オープン)でのマッチ連勝も33で途切れた。

 ロッド・レーバー・アリーナ(Rod Laver Arena)ではこれまで準決勝敗退に終わったことは一度もなかったが、この日は基準を下回る自身のパフォーマンスに「ショックを受けた」と告白。シナーを「決勝進出にふさわしい」とたたえ、「きょうは完全に自分を上回っていた」と完敗を認めると、「これまで自分がプレーしたグランドスラムで最悪の試合だったと思う。少なくとも記憶している限りでは」と落胆した。

 この敗戦で史上最多記録を更新する通算11度目の全豪オープン制覇と、女子の伝説的選手マーガレット・コート(Margaret Court)氏を抜いてグランドスラム歴代単独1位となる通算25回目の優勝の望みがついえたジョコビッチ。グランドスラムの男子シングルスでは最多24勝を誇っており、ラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)の同22勝と、引退したロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)の同20勝を上回っている。

 全豪オープンでは2018年大会を最後に負け知らず(2022年大会は欠場)だったジョコビッチだが、今大会の調子は基準に達していなかったと振り返りつつ、「プレーの基準やレベルがいつもの感じや自分の期待通りではなかった。そうかといって、必ずしもこれが終わりの始まりという訳ではない」と主張した。

 また、優勝に飢えている若手世代の一人であるシナーより14歳も年上とはいえ、まだラケットを置くつもりはないとも明言。「まだ高い志を持っている。他のグランドスラムや五輪とか、自分が出場するどの大会でもそうだ」とし、「まだシーズンは始まったばかりだ」と意欲を示した。

 全豪オープンについても「この街は本当に特別で、グランドスラムではここまでキャリア最高の成績だ」と付け加え、「とにかく、少なくとももう一度戻ってくるチャンスをつかみ、またあの感動を味わいたい」とリベンジを誓った。(c)AFP