【1月26日 CNS】四川省(Sichuan)巴中市(Bazhong)通江県の若者で、美術教育を専攻していた23歳の閆鵬文(Yan Pengwen)さんは2003年6月、「大学生ボランティア西部計画」参加者の一員として、同省成都市(Chengdu)邛崃市(Qionglai)に派遣された。

 2013年4月20日の四川雅安地震発生の後、閆さんは邛崃市高何鎮(現在は天台山鎮)にある靖口村で災害復興業務への参加を命じられた。それ以来、彼は田舎との繋がりを深め、根を下ろしてからすでに10年が経過している。

 当初、閆さんは数々の困難に直面した。「山間部の村落(コミュニティー)は地理的な要素によりリソースが限られており、農村集団がその限られたリソースを価値あるものに変えるのは非常に困難な課題だった」

 さらに、村のリーダーたちは日々の業務に追われて古い考え方に固執しており、農村集団経済を発展させ、壮大にするための経験や時間が不足していた。また閆さんは、村にはマーケティングや企画の専門家が深刻に不足していると感じていた。

 こうした問題を解決するために、邛崃市政府は革新的なアプローチを採り、「農村集団経済組織+村民+国有プラットフォーム企業+社会企業」の共同運営会社を設立した。地域の状況に応じ、アグリツーリズム、民宿の健康養生、現代農業などの産業を発展させ、産業の発展レベルを引き上げ、農村集団経済を強化している。閆さんもその一員として参画している。

 2016年7月、閆さんは共同創設者として天府紅谷国際アグリツーリズムリゾートプロジェクトを立ち上げた。国内トップクラスかつ国際水準の休養リゾート観光地を創り出すことを目指し、最も天府新区(Tianfu New Area)の原郷らしい地域の開発に注力している。

 天府紅谷プロジェクトが評判になり、遠方からの観光客が増えるようになってきた。

「観光客が増えたことで、村民の農産物の販売効率が向上した。また、村内のプロジェクトが増えたことで、労働力や雇用機会も増加した。アグリエンターテイメントのサービス品質の向上につれ、観光客も増え、良い循環が生み出されている」と、閆さんは述べている。

 郷土の知的財産権(IP)も村全体の発展を促進し、共に富を築いている。プロジェクトはこれまでに約5万人の雇用機会を生み出し、地元の約50人の村民に長期的かつ安定した雇用を確保し、30以上のアグリエンターテイメントをアップグレードさせ、特別研修と交流活動を約100回開催し、地元の観光業の発展に貢献した。天府紅谷・耕読桃源プロジェクトだけでも、運営以来、世界各地からの視察団を約500回、観光客を約20万人受け入れた。(c)CNS-成都商報/JCM/AFPBB News