【1月26日 AFP】サッカー女子W杯オーストラリア・ニュージーランド大会(FIFA Women's World Cup 2023)で優勝したスペイン代表のヘニフェル・エルモソ(Jennifer Hermoso)にキスを強要した問題で、スペイン・マドリードの全国管区裁判所(National Court)の裁判官は25日、同国サッカー連盟(RFEF)のルイス・ルビアレス(Luis Rubiales)前会長を裁判にかけることを提案した。

 フランシスコ・デ・ホルヘ判事は予備捜査を終えての裁定で、ルビアレス氏のキスは「同意によるものではなく、一方的で予期せぬ行動」だったと結論づけた。同氏は現在、性的暴行と強要の罪で訴追されている。

 また、スペイン女子代表の前監督ホルヘ・ビルダ(Jorge Vilda)氏、同男子代表のチームディレクターであるアルベルト・ルケ(Albert Luque)氏、RFEFのマーケティング部門責任者ルーベン・リベラ(Ruben Rivera)氏の3人についても捜査した結果、エルモソに「同意の上でのキスだったと公言する」よう圧力を掛けていたことが判明したとして、裁判を提案した。

 昨年8月20日のW杯決勝でスペインがイングランドを下した後に生中継された表彰式で、ルビアレス氏はエルモソの頭を両手で抱えて唇に無理やりキスをした。この行為については「合意があった」と主張しているが、エルモソはそうでなかったと反論している。

 デ・ホルヘ判事は、裁判の前に「キスの目的が性的なものだったか否か、あるいはW杯優勝という特別な出来事による興奮であったのかは、法的な結論を検討すべき要素である」と指摘。その一方で、唇へのキスは「特に2人の成人が関係している場合、性的関係にあるなどの親密な領域に影響するもの」だと述べた。

 さらに、ビルダ氏とルケ氏、そしてリベラ氏の3人についても、ルビアレス氏と共謀して「ヘニフェル・エルモソを説得し、キスは同意があったと話す動画の作成に同意させようとした」証拠が見つかったと公表。こうした行為は、それ自体は軽犯罪のように見えるにせよ、「ルビアレス氏による主な犯罪に関連した犯罪を構成する可能性がある」と述べた。(c)AFP/Hazel WARD