【1月26日 AFP】イスラエルの極右政党党首のベツァレル・スモトリッチ(Bezalel Smotrich)財務相は25日、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)を実効支配するイスラム組織ハマス(Hamas)がイスラエルから拉致した人質の解放交渉で重要な仲介役を担っているカタールに対し、昨年10月7日のハマスのイスラエル攻撃について大きな責任があると非難した。

 スモトリッチ氏はカタールについて、「ハマスの後援者であり、ハマスによるイスラエル市民の虐殺に大きな責任がある」「テロリズムを支援し、テロリズムに資金を提供する国だ」とX(旧ツイッター)に投稿した。

 また、西側諸国がカタールと緊密な関係を維持しているのは「偽善的」だと非難。「西側諸国はカタールに対してもっと強く影響力を行使して人質の即時解放を実現することができるし、そうすべきだ」と述べた。

 さらに、「一つ明らかなことがある。戦後のガザで起きることに、カタールは一切関与しないということだ」とも述べた。

 昨年10月7日にイスラエルとハマスの一連の軍事衝突が始まって以降、カタールとエジプトが仲介役を務めてきた。11月には1週間の戦闘休止を実現し、イスラエルが拘束していたパレスチナ人を釈放するのを引き換えに、ハマスが拉致した人質のうち105人の解放させた。

 イスラエルでは今週、ベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相が人質家族との会合で、カタールの仲介には「問題がある」と語ったとされる音声が流出していた。

 ネタニヤフ氏とスモトリッチ氏の発言を受け、ハマスは「姉妹国カタールを標的にしている」と反発。

 ハマス幹部タヘル・ノノ(Taher al-Nono)氏は声明で「カタールはガザ住民に対する侵略を阻止しようと、政治的に積極的な役割を果たしている」と反論し、両者のような発言が囚人・人質交換の進展を妨げていると訴えた。

 スモトリッチ氏がカタールを非難した時、米ホワイトハウス(White House)のブレット・マクガーク(Brett McGurk)中東・北アフリカ担当調整官が、戦闘休止と残る人質の解放に関する新たな合意締結の仲介を目的とする協議のため中東入りしていた。(c)AFP