【1月25日 Xinhua News】中国国家統計局は17日、中国の2023年の国内総生産(GDP)が前年比5・2%増の126兆元(1元=約21円)を上回り、伸び率が22年から2・2ポイント拡大したと発表した。ドイツ銀行の中国チーフエコノミスト、熊奕(ゆう・えき)氏はこれに対し、「中国は依然として世界の経済成長にとって重要な原動力である」との見解を示した。

 国際通貨基金(IMF)は23年10月に発表した最新の世界経済見通しで、23年の世界経済の成長率を3・0%、うち先進国の平均を1・5%、新興市場国・発展途上国の平均を4・0%と予想している。同氏は、新興市場国・発展途上国から見て、中国の5・2%という成長率は非常に目を引く結果だと述べた。

 具体的に見ると、最終消費支出は経済成長を4・3ポイント押し上げ、経済成長に対する寄与度は82・5%になり、「メインエンジン」としての役割を果たしている。

 同氏は、消費が経済の「メインエンジン」となった背景に、中国の住民所得の着実な増加があると指摘。23年の住民1人当たりの可処分所得は物価変動の影響を除く実質で6・1%増となり、農村部の住民所得の伸びは都市部を上回り、所得格差は縮小し続けていると述べた。

 世界の貿易・投資が減速する中、人民元建て輸出額は23年に小幅に増加し、世界市場でのシェアは安定を維持した。熊氏は「23年10月以降、中国の輸出は顕著な上向き基調を示し、12月のドル建て輸出額は前年同月比2・3%増となった。外需は回復傾向を示し、中国経済へのけん引効果が高まっている」と語った。

 中国の製造業はここ数年、バリューチェーンの川上に向けて拡張しつつあり、中国製造業の増加値(付加価値額)は世界全体の3分の1近く、中国のモノの輸出は世界全体の7分の1を占めている。同氏は「世界市場における中国製造業の競争力が強化されつつあり、新エネルギー車(NEV)、リチウムイオン電池、太陽光発電製品は、23年の輸出額が初めて1兆元の大台を超え、経済成長の新たな原動力となっている」と語った。

 同氏は、中国は外資系企業にとって、依然として極めて重要な市場だと指摘。「新型コロナウイルス感染症対策が緩和されて以降、より多くの外資系企業の担当者が中国を訪れ、中国市場に対する理解を深めている。外資系企業の顧客とのやり取りを通じ、彼らがおしなべて中国の今後の発展見通しに自信を持っていることを実感する」と述べた。さらに、中国の金融分野の開放が進む中、国境を越えた資金の流れは利便性が一段と高まり、外資系企業を引き付ける力もさらに強まっていると語った。

 熊氏は24年の中国経済について、チャンスとチャレンジが共存しているとの認識を示し、「中国経済が長期的に上向く基本的すう勢に変わりはない」と述べた。(c)Xinhua News/AFPBB News