【1月20日 AFP】欧州連合(EU)のジョセップ・ボレル(Josep Borrell)外交安全保障上級代表(外相)は19日夜、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)を実効支配するイスラム組織ハマス(Hamas)を「創設」したのも「資金提供」したのもイスラエルだと非難した。ハマスは昨年10月7日、イスラエルに対する前例のない攻撃を開始した。

 イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相はここ最近、パレスチナ国家樹立への反対姿勢を改めて表明し、米国の反発を招いている。イスラエルの同盟国である米国は、パレスチナ国家と共存する「2国家解決」を依然として支持している。

 ボレル氏はスペイン中部にあるバジャドリード大学(University of Valladolid)で名誉博士号を授与された際にスペイン語で演説し、「平和をもたらすには2国家解決を外部から強制する必要があるとわれわれは考えている。だが、イスラエルが(2国家解決への)反対を再表明しており、同案を阻止するために自らハマスの創設までしていることを強調しておきたい」と述べた。

 さらに、「イスラエルはパレスチナ自治政府の主流派ファタハ(Fatah)を弱体化させようと、ハマスに資金提供してきた」と主張し、「われわれが強く介入しなければ、今ガザにまかれている憎しみの種が芽吹き、憎悪と暴力の連鎖は何世代にもわたって、人が亡くなるたびに続くだろう」と訴えた。(c)AFP