【1月20日 AFP】昨年10月7日にイスラエルとイスラム組織ハマス(Hamas)との軍事衝突が始まって以降、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)の男性数千人がイスラエル軍に拘束され、拷問に等しい状況に置かれている可能性がある。被占領パレスチナ地域の国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)代表を務めるアジス・ソンガイ(Ajith Sunghay)氏が19日、明らかにした。

 ガザ南部ラファ(Rafah)からビデオリンク方式でスイス・ジュネーブでの記者会見に臨んだソンガイ氏は、イスラエルの治安部隊に30~55日拘束されていたと主張する複数人と面会したと説明。

「彼らは殴られ、辱められ、拷問に等しい扱いや虐待を受けたと語った。長時間目隠しされ、中には数日間ずっと目隠しされていたという人もいた」「ある男性は55日間の拘束期間中、1度しかシャワーを浴びさせてもらえなかったと話し、解放された時にはおむつしか身に着けていない状態だったという複数人の報告もある」と述べた。

 こうした証言は、パレスチナ人の大規模拘束についてOHCHRがこれまでに得た報告内容と一致しているという。報告によれば、多くの民間人が秘密裏に拘束されて虐待を受け、家族や弁護士に面会できず、法律による保護も十分に受けられていない。

 ソンガイ氏は拘束されているガザ住民の数について、正確な人数を挙げることはできないが、「数千人に上るとみられる」との見解を示した上で、イスラエルには、拘束者全員を国際人権法、国際人道法に基づく国際規範にのっとって扱う義務があると述べた。(c)AFP