【1月19日 AFP】英国のチャールズ国王(King Charles III、75)の入院が発表されたのを受け、誰が公務を代行するのかという疑問が広がるとともに、国王が掲げる王室の「スリム化」をめぐる議論が再燃している。

 チャールズ国王は、来週前立腺肥大の治療を受けるため、公務の中止を余儀なくされる。

 また、ウィリアム皇太子(Prince William、41)の妻のキャサリン皇太子妃(Catherine, Princess of Wales、42)も、腹部の手術を受け現在病院で療養中だ。ケンジントン宮殿(Kensington Palace)は、キャサリン妃が今後最大2週間入院し、退院後も自邸で数か月療養すると発表した。

 これに伴い、ウィリアム皇太子も複数の予定を延期。18日には、首都ロンドンの私立病院を後にする様子が目撃された。

 つまり王室最高位の成人4人のうち、3人が公務から外れることになる。

 英王室には、国王の公務を代行できる「国務顧問」がいる。伝統的には、王位継承権のある最高位の成人4人が務めてきたが、政府が2022年に可決した新法により、国王の公務代行が認められるのは「公務を遂行している王室メンバー」のみに限定された。

 これにより、公務を退いている弟アンドルー王子(Prince Andrew)と次男ヘンリー王子(Prince Harry)は、現在も国務顧問ではあるものの、実質的には代行役から外される形となった。

 ただしこの新法の下、チャールズ国王は代行メンバーとして、妹のアン王女(Princess Anne)ともう一人の弟のエドワード王子(Prince Edward)を追加した。

 王室コメンテーターのリチャード・ケイ(Richard Kay)氏は英紙デーリー・メールへの寄稿で、「10か月前に新国王の王室メンバー削減について聞かれた時のアン王女の言葉が予言のようだ」と述べた。

 当時、「王室のスリム化」の見通しについて質問を受けたアン王女は、「(現在よりも王族の)人数がもう少し多かった時に提案されたものだ。現状では良案とは言えない」と話していた。(c)AFP