韓国で依然続くタクシー乗車難…「3人に1人が業界を去ってしまった」
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【01月19日 KOREA WAVE】韓国で新型コロナウイルス以後に浮き彫りになったタクシー乗車難が依然として改善されていない。法人タクシー運転手の3人に1人が運輸業界を去ってから、まだ戻ってきていない。特に問題が大きかった深夜の乗車難は、一時、特定の日に営業をしないことで供給を調整した「個人タクシーの部制」の解除と、料金引き上げなどで一時的に改善された。だが、年末年始に再び乗車難の懸念が高まった。
全国タクシー運送事業者連合会によると、ソウルの法人タクシー運転手数は2万254人(11月)だった。これはコロナ以前の2019年末(3万527人)比66%の水準に過ぎない。コロナ前後で法人タクシー運転手の3分の1はタクシー業界を離れたわけだ。
ソウルの法人タクシー運転手は新型コロナウイルス直後、2020年末に2万4507人まで下がって以来、毎年減少し、2022年末には2万599人まで減り、2万人のラインが脅かされている状況だ。ソウルだけでなく、全国の主要都市も似たような傾向を見せている。同期間、ソウル・釜山(プサン)・大邱(テグ)・仁川(インチョン)・光州(クァンジュ)など主要7都市の法人タクシー運転手数は新型コロナウイルス以前の6万1085人から昨年11月には4万1148人に急減した。
ドライバーの減少はタクシーの運行不足につながった。昨年11月の深夜時間(午後10時~深夜2時)、ソウル地域の1時間当たりの運行台数は2万480台だ。コロナ以前の平均運行台数(2万6566台)と比べると、1時間当たり約6000台(23%)少ない。
韓国政府とソウル市などが個人タクシーの部制解除と利用料金引き上げでタクシー運行台数を増やそうとしたが、コロナ以前の水準には回復しなかった。主に60~70代の個人タクシー運転手たちは厳しい深夜運行を敬遠しているうえに、部制が全面解除され運行可能日数が増えたため、むしろ深夜運行をする必要がなくなった。
法人タクシーもコロナ期間中、営業収入の減少で1万人余りが辞めた後、新規人材が流入しなかった。利用料金が3800ウォンから4800ウォンに引き上げられたが、事実上、運転手に回る分は大きな差がないということだ。高い料金のせいで客が減ったからだ。このため、依然として法人タクシー10台のうち6~7台程度は運行できないのが実情だ。
繰り返される乗車難の解決のためには、まず法人タクシーの運行率を高めなければならないという指摘が出ている。
国土交通省はタクシー運転手の人材難解消のために今月中に「先就職後運転資格取得制」導入を急いでいる。タクシー運転手の資格なしに仕事を先に始め、3カ月以内に資格証を取得する案だ。現在は求職者がタクシー会社に就職する前に資格取得期間が1~2カ月かかる。今月中に規制サンドボックス(規制運用停止)審議を終えて導入可否が決定される。
業界では、先就職制度が導入されれば、5000人前後の運転手流入効果があると見ている。この制度を先に導入したカカオTなどプラットフォームタクシー業界では6000人ほどの人材流入効果を上げたものと推定される。国土省関係者は「制度が導入されれば、金を稼ぎながら資格を取得できるので人材難を緩和できる効果があると期待している」と話した。
(c)MONEYTODAY/KOREA WAVE/AFPBB News